ハンスイェルク・アンゲラー

CD4/シューマン/アダージョとアレグロ/デュカス/ヴィラネル

CD(Gramola 99286-4)

CD4
1.シューマン/アダージョとアレグロ Op.70
2.R.シュトラウス/序奏、主題と変奏 TrV70
3.デュカス/ヴィラネル
4.ピルヒナー/Feld -, Wald - und Wiesen-Soli
                PWV53
5.ボザ/森にて Op.40
6.ロッシーニ/前奏曲、主題と変奏

 ハンスイェルク・アンゲラー(ホルン)
 ボジダル・ノエフ(ピアノ)(1〜3、5&6)
 録音 1989年

 シューマンの「アダージョとアレグロ」はアダージョの美しい演奏が素晴らしいです。低音からハイトーンまできれいな響きです。アレグロは力強い響きの見事なホルンの演奏です。中間部もきれいな演奏です。後半も迫力ある見事な演奏です。ピアノもよい響きです。
 リヒャルト・シュトラウスの「序奏、主題と変奏」は名作です。序奏、主題と5つの変奏曲になります。美しい主題と続く華やかな響きの変奏曲が楽しいです。第2変奏の細やかな演奏も面白いです。第3変奏はきれいな演奏です。第4変奏の穏やかな美しさ、第5変奏の軽快な主題の素晴らしいことは見事な演奏です。
 デュカスの「ヴィラネル」はホルンの定番曲ですが、前半は自然倍音だけで演奏の指定があります。その自然倍音だけで演奏した録音は意外と少ないものですが、アンゲラーは見事に自然倍音だけで演奏していてストップ音もきれいに出しています。後半は見事なホルンでこれは素晴らしい演奏です。ミュート音もきれいです。ノエフのピアノも素晴らしい演奏です。
 ピルヒナー(1940-2001)の「Feld -, Wald - und Wiesen-Soli PWV53」は無伴奏ホルンの作品です。4つの小品で構成されています。第1曲の華麗な演奏、第2曲の穏やかな演奏と華麗な演奏、第3曲のきれいな主題とハイトーンのきれいな響き、そして第4曲の細やかで華麗な響きの演奏と、これは見事な演奏です。
 ボザのホルンとピアノのための「森にて」はデュカスのヴィラネル同様ホルンの定番作品です。雄大な響きを聞かせる名曲です。アンゲラーのホルンはまさに森の中でホルンを吹くかのように堂々とした演奏です。中間部の朗々としたホルンの美しさ、後半の見事なホルンのテクニックと素晴らしい演奏です。ミュート音もきれいです。ノエフのピアノも素晴らしい演奏です。
 ロッシーニの「前奏曲、主題と変奏曲」は名曲で録音が多い作品です。この作品は前奏曲を美しい響きで歌い、主題と変奏曲では持ち前のテクニックを駆使して演奏することになります。第1変奏、第2変奏と難易度がきつくなりますがアンゲラーのホルンは見事な演奏です。ここではピアニストの表現力もまた聴きものです。第3変奏の美しさ、第4変奏の見事な演奏は絶品です。アンゲラーのホルンは素晴らしい演奏です。


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