ヘルマン・バウマン

モーツァルト/セレナード第12番ハ短調
CD(PHILIPS PHCP-10557)

モーツァルト/セレナード集
1.セレナード第9番ニ長調K320「ポストホルン」
2.セレナード第12番ハ短調K388「ナハトムジーク」

  オーレル・二コレ(フルート)(1)
  ゴットフリート・メント(ポストホルン)(1)
   シャーンドル・ヴェーグ指揮
   ザルツブルグ・モーツァルテウム・
          カメラータ・アカデミカ(1)
  ハインツ・オリガー(オーボエ)(1&2)
  ルイゼ・ペッレリン(オーボエ)(1&2)
  エドゥアルト・ブルンナー(クラリネット)(2)
  エルマー・シュミット(クラリネット)(2)
  クラウス・トウーネマン(ファゴット)(1&2)
  マシュー・ウィルキー(ファゴット)(1&2)
  ヘルマン・バウマン(ホルン)(2)
  ラドヴァン・ヴラトコヴィチ(ホルン)(2)   
  録音 1988年12月11、12、18&19日(1)
      1986年7月4〜6日(2)

  シャーンドル・ヴェーグがフィリップスに録音したモーツァルトの「ポストホルン・セレナード」と管楽器の名手達によるセレナード第12番です。
 セレナード第9番ニ長調K320「ポストホルン」は7つの楽章から構成されています。この演奏にはニコレやホリガー、トゥーネマンという巨匠たちが参加しています。第1楽章は堂々とした演奏で雄大な響きになっています。第2楽章「メヌエット」はモーツァルトのメヌエットの中でも大変親しみやすい主題が流れます。ヴェーグのテンポは絶妙です。第3楽章は「コンチェルタンテ」でフルート、オーボエ、ファゴットが協奏交響曲のように演奏しています。巨匠たちのフルート、オーボエやファゴットの和音が大変きれいです。まさに贅沢な演奏です。第4楽章「ロンド」の楽しい雰囲気と管楽器の響きが素晴らしい。ニコレとホリガーの作り出す響きは絶品。
 第5楽章「アンダンティーノ」は悲劇的な響きの序奏がニ短調の音楽で、交響曲のようなオペラの音楽のような哀愁的な美しさがあります。第6楽章「メヌエット」は第1トリオでピッコロが使われています。第2トリオではポストホルンが使われます。ポストホルンはドミソの自然倍音だけで歌われます。ここではゴットフリート・メントがトランペットからポストホルンに持ち替えて演奏しています。なぜかトランペットのように聞こえてくるのが面白いです。第7楽章「プレスト」のスピード感は見事です。
 セレナード第12番ハ短調K388「ナハトムジーク」はオーボエ、クラリネット、ファゴットとホルンが各2本の八重奏で演奏されます。オーボエはホリガー、クラリネットはブルンナー、ファゴットはトゥーネマン、ホルンはバウマンとヴラトコヴィチという贅沢なメンバーによる演奏です。4つの楽章で構成されています。この作品はフルートを入れた木管五重奏の編曲もありますが、やはりオリジナルは良い響きです。


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