ヘルマン・バウマン

R・シュトラウス/ホルン協奏曲第1番変ホ長調(1975)
CD(Profil PH08075)2枚組

 CD1
1.モーツァルト/ホルン協奏曲第2番変ホ長調K417
2.   〃  /ホルン協奏曲第3番変ホ長調K447
3.   〃  /ホルン協奏曲第4番変ホ長調K495
4.   〃  /ホルン五重奏曲変ホ長調K407
5.テレマン/ホルン協奏曲ニ長調
  ウィルヘルム・ブルンズ(ナチュラルホルン)(1〜4)
  エーリヒ・ペンツェル(ホルン)(5)
  トーマス・フェイ指揮
   マンハイム・モーツァルト管弦楽団(1〜4)
  クワドリガ弦楽四重奏団(4)
  コレギウム・アウレウム合奏団(5)
    録音 2004年1月31日〜2月2日(1〜3)
        2004年3月10日(4)
        1960年代(5)
 CD2
1.シューマン/4本のホルンのための
            コンツェルトシュテュック
2.R・シュトラウス/ホルン協奏曲第1番変ホ長調
3.テレマン/2つのホルンのための協奏曲変ホ長調
4.ヘンデル/組曲「水上の音楽」より
   ペーター・ダム(ホルン1)(1)
    ディーター・パンサ(ホルン2)(1)
    クラウス・ピーツォンカ(ホルン3)(1)
    ヨハネス・フリーメル(ホルン4)(1)
    ヘルマン・バウマン(ホルン)(2)
    エーリヒ・ペンツェル(ホルン)(3)
    フランチェスコ・ロゼッリ(ホルン)(4)
    ヴィリー・キュヒラー(ホルン)(4)
    ヘルベルト・ブロムシュテット指揮
      ドレスデン・シュターツカペレ(1)
    ギュンター・ヴァント指揮
     ケルン放送交響楽団(2)
    コレギウム・アウレウム合奏団(3)
    ルドルフ・バウムガルトナー指揮
     ルツェルン祝祭弦楽合奏団(4)   
     録音 1981年10月15日ライヴ(1)
         1975年10月1日(2)
         1960〜70年代(3&4)

   ウィルヘルム・ブルンズはヘルマン・バウマンに師事、ナチュラルホルンのコンクールで1987年に1位になっています。ファン・ゼルムのホルンはストップ音も遠慮なく出していてナチュラルホルンの音を前面に出しています。太く強烈な音になるときもありますし、弱音できれいに響くところもまた魅力です。2番のロンドなどはスラスラと吹いてくれます。3番の安定感の演奏は見事で音階の正確なこと、カデンツァでは師のバウマンのカデンツァを引用しながらも重音奏法をたくみに入れて、オリジナルの素晴らしいカデンツァを披露しています。4番でも流麗な演奏をきかせてくれます。速いテンポでもくずれることのない素晴らしいホルンです。4番のカデンツァでも重音奏法を入れた見事なものでした。ロンドの速いテンポの演奏には驚きますが、強烈なストップ音は面白いです。
  ホルン五重奏曲は一層表現力が豊かで、ホルンの独壇場に近い音楽になっています。太く奥深い楽器の特徴を前面に出した名演でといえるしょう。第3楽章のご機嫌な演奏は見事です。
  ペンツェルのテレマンはコレギウム・アウレウム合奏団でソロ協奏曲と2本のホルンのための協奏曲が収録されていますが、ソロの方はモダン・ホルンで吹いています。しかもこの録音はヴィシャーマン指揮ドイツ・バッハ・ゾリステンの演奏と同一音源です。なめらかなホルンでペンツェル独特の味わいがあります。2本のホルンのための協奏曲変ホ長調はターフェル・ムジークの中の1曲で、こちらはナチュラルホルンを吹いています。2番ホルンはクレジットされていませんがワルター・レックスットと思われます。こちらの演奏はきれいなアンサンブルになっています。
  シューマンのコンツェルトシュテュックは同じホルンメンバーで1983年にスタジオ録音されています。1982年の「プラハの春」音楽祭でも演奏されましたが、それに先立つこの1981年ライヴは4人の息がピッタリあった演奏として記念すべきものでしょう。1983年のように遅いテンポではありませんのでスリリングな演奏です。
  ヘルマン・バウマンのR・シュトラウス1番は1983年の録音がありますが、1975年41歳の時のこの演奏は豪快であり、ホルンの音を割って吹きまくるという力強い演奏です。また第2楽章で上昇音のフレーズをオクターブ下で吹いたスタジオ盤には驚きましたが、この演奏では通常の高い音で吹いています。バウマンの1番はこちらが代表盤でしょう。他の演奏と比べても格段の違いを感じます。
  ヘンデルの「水上の音楽」はホルンが大活躍する組曲ですが、このアルバムには第1組曲から3曲、第2組曲から5曲がピックアップされています。いずれもホルンが大活躍する曲ばかりです。バウムガルトナーの演奏では第2組曲の「アンダンテ」におけるアウフタクトの短い演奏でびっくりします。


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