ラデク・バボラーク

ヒンデミット&ケクラン/ホルン作品集
CD(CRYSTON OVCC−00124)

ヒンデミット&ケクラン/ホルン作品集
1.ヒンデミット/ホルン・ソナタ ヘ長調(1939)
2.   〃  /アルトホルン・ソナタ変ホ長調(1943)
3.   〃  /ホルン協奏曲(1949)
4.ケクラン/モノディ・ノクチュルヌOp213
5. 〃   /モノディOp218bis

  ラデク・バボラーク(ホルン)
  菊池 洋子(ピアノ)
  録音 2016年3月19&20日
   埼玉/秩父ミューズパーク

 バボラーク久々のソロ・アルバムはヒンデミットとケクランの作品です。いずれも初録音です。
 ヒンデミットのホルン・ソナタ ヘ長調は1939年の作品、音程のとりにくい難曲ですがバボラークにかかるとなんの苦も無く吹いているようです。第1楽章、第2楽章とスラスラ演奏、第3楽章の強烈なffも軽々と吹いています。この曲が難曲だというのを忘れさせる名演です。
 ヒンデミットの「アルトホルン・ソナタ変ホ長調」は1943年の作品でアルトホルンのために書かれていますが、フレンチホルンで演奏されること多いです。4つの楽章で構成されています。第1楽章の穏やかなこと、第2楽章の優雅な演奏はこの作品の中でもきれいなメロディが流れます。バボラークの世界になっています。第3楽章の緩やかなテンポはホルンの美しい響きが聞きものです。第4楽章の前にポストホルンについての対話があるのですが、ここでは入りません。第4楽章は菊池のピアノが軽やかに始まります。ホルンの歌のきれいなこと、この作品に新たな名演がまた生まれました。
 ヒンデミットのホルン協奏曲は1949年にデニス・ブレインのために書かれ、ブレインによって初演された名曲です。ピアノ伴奏で録音されるのは珍しいですが、第1楽章の繊細なメロディを明瞭に吹いているところはピアノ伴奏だからこそといえるでしょう。第2楽章の速いテンポでの軽やかな演奏もまたバボラークらしいところです。第3楽章は遅いテンポの壮大な音楽になります。バボラークはピアノ伴奏だからこそ繊細な表現になっているようです。オーケストラでは消えてしまうような音もよく響きます。
 シャルル・ケクラン(ケックラン)の「モノディ・ノクチュルヌ」は無伴奏ホルン作品です。ソロホルンのためのノクターンともいえる美しい小品です。ここではホルンを十分に響かせています。
 ケクランの「モノディOp218bis」も無伴奏ホルン作品です。この小品は高音から低音まで使うものでバボラークがアンコールに演奏したくなるような作品です。これも名演奏です。よい作品を録音してくれました。


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