エルヴェ・ジュラン

メロディーズ/サン=サーンス、グリエール、スクリャービンのロマンス、他
CD(TYXart TXA19142)

メロディーズ
1.グリエール/夜想曲Op35−10
2.グラズノフ/夢Op24
3.サン=サーンス/ロマンス ヘ長調Op36
4.R.シュトラウス/アンダンテ(遺作)
5.ラヴェル/亡き王女のためのパヴァーヌ
6.グリエール/ロマンスOp35−6
7.ケルビーニ/ソナタ第1番ヘ長調
8.ビュッセル/カントゥコールOp77
9.バーンスタイン/ミッピーT世のためのエレジー
10.F.シュトラウス/夜想曲Op7
11.シニガリア/歌とフモレスケOp28より 「歌」
12.クルフト/ホルン・ソナタ ホ長調より アンダンテ
13.シャブリエ/ラルゲット
14.スクリャービン/ロマンス
15.ダマーズ/バレエ音楽「ダイヤモンドを噛む女」より 
            アダージョ
16.ダンディ/アンダンテ・カンタービレ
17.ローラン・クーセン/映画「残るのは沈黙のみ」より
             メインテーマ

  エルヴェ・ジュラン(ホルン)
  アリアーヌ・ジャコブ(ピアノ)
   録音 2016年4月

 エルヴェ・ジュラン久々のソロ・アルバムです。「メロディーズ」はメロディの美しい作品が録音されています。
 グリエールの「夜想曲Op35−10」は4つの小品の第3曲です。ノクターンの美しいメロディはジュランが演奏すると一層美しい音楽に聞こえてきます。
 グラズノフの「夢Op24」はホルンのオリジナル作品で、大変美しい小品です。ピアノの美しい響きと共にうっとりさせる作品です。
 サン=サーンスの「ロマンス ヘ長調Op36」は「ホルンのためのロマンス」の代表的な作品です。ジュランのホルンは大変美しい響きです。このロマンスの数ある録音の中でも特筆すべき素晴らしい演奏です。
 リヒャルト・シュトラウスの「アンダンテ」はは24歳のときの作品です。ホルン・ソナタにはなりませんでしたが、このホルンによる歌は大変感動的です。ホルンのための作品としても傑作と言えるものです。主題の美しいこと、感動的なこの演奏は何とも言えません。
 ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」はピアノ曲からラヴェルがオーケストラに編曲したものですが、ホルンのソロで有名です。低音のソロで始まってやがて本来のホルンになってきます。この編曲はホルンで全曲演奏しますから、あらゆる楽器のパートを演奏しています。ジュランの演奏が素晴らしいです。
 グリエールの「ロマンスOp35−6」は4つの小品の第1曲です。このロマンスもまた美しい小品です。ピアノのきらめきと共に朗々と吹くホルンの美しさが素晴らしいです。
 ケルビーニの「ソナタ第1番ヘ長調」はホルンと弦楽のための作品です。ピアノ伴奏でも素晴らしい響きです。やや速めの演奏ですが、それでも作品の良さはわかります。
 ビュッセルの「カントゥコールOp77」はデュカスの「ヴィラネル」、ボザの「森にて」同様パリ音楽院の卒業試験の課題曲として作曲されていました。いまやホルンの定番として度々演奏されます。ジュランのホルン演奏も見事なものです。
 バーンスタインの「ミッピーT世のためのエレジー」はバーンスタインのオリジナル作品です。ホルンのためのエレジーはホルンが歌う悲しみの歌です。何度も聴きたくなります。
 フランツ・シュトラウスの「夜想曲Op7」はホルンの定番作品です。ジュランの演奏はまた味わいのあるものでメリハリのある見事な演奏です。力の入る演奏です。
 シニガリアの歌とフモレスケOp28の第1曲「歌」は歌うホルンです。美しいメロディを思いを込めてジュランが歌います。素晴らしい響きです。
 クルフトの「ホルン・ソナタ ホ長調」の第2楽章「アンダンテ」は美しい主題が歌われます。この楽章だけというのもまたいいものです。
 シャブリエの「ラルゲット」はホルンとオーケストラのための作品ですが、ピアノ版もいいものです。フランスの作品だけにエルヴェ・ジュランも得意な作品と思われます。高音から低音までよどみない演奏はホルンの魅力が伝わってきます。
 スクリャービンの「ロマンス」はホルンとピアノのための作品です。ロシア風の歌が朗々と歌われます。美しい小品です。
 ダマーズのバレエ音楽「ダイヤモンドを噛む女」から「アダージョ」が演奏されています。ダマーズはホルンの作品を書いているだけに、このアダージョはホルンが魅力的な主題を歌います。ジュランの名演が光ります。
 ダンディの「アンダンテ・カンタービレ」はホルンとピアノのための作品です。短い小品ですがホルンのカンタービレはまた美しい響きが聴かれます。録音の少ない作品ですから、ここで聴けるのは嬉しいことです。
 ローラン・クーセンの映画「残るのは沈黙のみ」のメインテーマは原曲はわかりませんが、カンタービレ風の素晴らしい主題がホルンで歌われます。原曲でもホルンが演奏するようです。エルヴェ・ジュランの感動的な演奏が素晴らしいです。


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