ペーター・ダム

ハイドン/ホルン協奏曲第2番ニ長調(1968〜70)
CD(PILZ 44 2079-2)

1.グレトリ/バレエ組曲「共和派の優等娘」
2.カール・シュターミッツ/チェロ協奏曲
                 第2番ハ長調
3.テレマン/2つのオーボエ、2つのホルンと
  弦楽のための協奏曲変ホ長調TWV52:Es1
4.ハイドン/ホルン協奏曲第2番ニ長調
5.L・モーツァルト/トランペット、2つのホルン、
    弦楽合奏と通奏低音のための協奏曲

 ペーター・ツィマーマン(チェロ)(2)
 フリッツ・グレーフェ(第1ホルン)(3)
 ヘルベルト・アウエルバッハ(第2ホルン)(3)
 ペーター・ダム(ホルン)(4)
 ヴィリー・クルーク(トランペット)(5)
 ヘルムート・コッホ指揮
  ベルリン室内管弦楽団
  録音 1968〜70年頃

 このアルバムはヘルムート・コッホのドイツバロックから古典派の音楽集です。
 アンドレ=エルネスト=モデスト・グレトリ(1741〜1813)はベルギー出身の作曲家で多くのオペラを書いていました。歌劇「共和派の優等娘(共和主義者ロジエール)」は代表作のひとつ、この中のバレエ音楽を組曲にしています。「軽妙な踊り」「優美なガヴォット」「コントルダンス」「ロマンス」「ダンス・ジェネラル」「パ・ドゥ・トゥロワ」「ガヴォット『カルマニョール』」の7つの踊りが演奏されます。管弦楽の組曲としても完成された美しい作品です。
 カール・シュターミッツ(1745〜1801)の「チェロ協奏曲第2番」は古典派のチェロ協奏曲としてもよくできています。第1楽章:アレグロ・コン・スピリット冒頭のアルペッジョから始まるところはハイドンのチェロ協奏曲を聴いているかのようです。カデンツァは素晴らしい演奏です。第2楽章のアンダンテ・ポコ・モデラートはロマンスを聴いているような美しさがあります。カデンツァもありツィマーマンのチェロが感動的です。第3楽章はロンドでアレグロ、さわやかなチェロのソロに始まります。大変魅力的な作品です。
 テレマンの「2つのオーボエ、2つのホルンと弦楽のための協奏曲変ホ長調」は「ターフェル・ムジーク」第3集の中の曲とは別の曲です。3つの楽章で構成されています。「アレグロ」「ラルゴ」「ヴィヴァーチェ」で全曲で6分という短い作品です。2つのホルンがきれいに響きます。「ラルゴ」はホルンがお休みです。
 ハイドンの「ホルン協奏曲第2番ニ長調」はペーター・ダムがホルンを演奏しています。ダムのハイドンは2番の協奏曲がこれだけですので貴重です。70年代の明るい響きとは少し違いますので1968年ころの録音と思われます。第1楽章はアレグロ・モデラート、弦楽の美しい響きとホルンの明るい響きが素晴らしい演奏です。カデンツァも見事な演奏です。第2楽章のアダージョはダムのやわらかな響きのホルンが美しいです。第3楽章のアレグロは快適なテンポで明るいホルンが軽快に演奏しています。力みのない美しいホルンが素晴らしいです。カデンツァも見事な演奏です。
 レオポルド・モーツァルトの「トランペット、2つのホルン、弦楽合奏と通奏低音のための協奏曲」はヴィリー・クルークがトランペットを演奏しています。クラリーノ協奏曲ですからピッコロトランペットを吹いています。この協奏曲はトランペット協奏曲の中でも名曲として知られています。クルークの明るく美しいトランペットは第1楽章「アダージョ」、第2楽章「アレグロ・モデラート」と素晴らしい演奏を聞かせてくれます。2本のホルンは第2楽章の冒頭から和音楽器としてよく響きます。クルークのトランペットと共に素晴らしい演奏です。


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