シュテファン・ドール
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CD(Wisteria Project BPOC-0001)
シューベルト/八重奏曲ヘ長調Op166、D803
〜2つのヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、
コントラバス、クラリネット、ホルンと
ファゴットのための
ベルリン・フィルハーモニー八重奏団
樫本大進(ヴァイオリン)
ロマーノ・トマシーニ(ヴァイオリン)
アミハイ・グロス(ヴィオラ)
クリストフ・イゲルブリンク(チェロ)
エスコ・ライネ(コントラバス)
ヴェンツェル・フックス(クラリネット)
シュテファン・ドール(ホルン)
モル・ビロン(ファゴット)
録音 2017年1月23、30&31日
東京オペラシティ・コンサートホール
2013年に新たに編成されたベルリン・フィルハーモニー八重奏団によるシューベルトの八重奏曲です。来日時に東京で録音されたものです。
シューベルトの八重奏曲は演奏に1時間もかかる大曲で室内アンサンブルのための交響曲といえます。1824年に書かれており「未完成」と「ザ・グレート」の間になります。シューベルトはホルンを大切にした曲が多いのですが、この曲にも重要なメロディーを吹かせています。
第1楽章は前奏のアダージョから厚い響きのアンサンブが聞かれます。続くアレグロでは素晴らしいアンサンブルが聞かれます。ヴァイオリンとクラリネットが良い響きで歌います。続くドールのホルンが明るく朗々と見事な演奏をしています。このアンサンブルは素晴らしい演奏を聞かせてくれます。後半の緊張感には圧倒されます。この楽章では同じ音型が楽器を変えてなんども繰り返されます。コーダはファゴットに始まって主題が各楽器に受け継がれながらホルンの素晴らしいソロで終わります。第2楽章:アダージョはクラリネットで始まる穏やかな雰囲気がきれいです。そしてクラリネットとヴァイオリンの対話が美しいです。中間部では緻密なアンサンブルが素晴らしい。ドールのホルンと樫本大進のヴァイオリンとの対話が大変きれいです。コーダのコントラバスのピツィカートはよく響きます。
第3楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェは快活なスケルツォです。樫本大進のリードするアンサンブルの見事な演奏には耳を奪われます。クラリネットの演奏も素晴らしい。またユニゾーンの響きがきれいです。トリオも素晴らしい演奏で勢いがあります。第4楽章:アンダンテは主題と7つの変奏曲、「ロザムンデ」の間奏曲を思わせるような主題に始まります。クラリネットとヴァイオリンの変奏が素晴らしい響きです。クラリネット、ファゴットとホルンの変奏も絶妙です。ドールの吹くホルンの変奏は伸びやかなホルンが素晴らしい響きです。そして絡む樫本のヴァイオリンもまた良い響きです。続くチェロの変奏も良い響きです。後半も素晴らしい演奏で、変化に富んだ7つの変奏曲は名作といえましょう。
第5楽章:メヌエットはこの曲の中でも最も美しいといえる楽章です。クラリネットの美しい主題が流麗に歌われ弦楽器、ホルンに受け継がれていきます。ドールの明るい響きのホルンは印象的です。クラリネット、ファゴット、弦楽器のユニゾーンの美しい響きもあって、優雅なメヌエットです。ファゴットのやわらかな響きが素晴らしいです。第6楽章:アンダンテ・モルト〜アレグロはシューベルトの音楽の美しさがあります。劇的な響きの前奏に続くアレグロはオーケストラのような素晴らしいアンサンブルです。まさに小さなベルリン・フィルです。この演奏は絶賛ものです。演奏時間62分35秒。 |
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