シュテファン・ドール

ブリテン/テノール、ホルンと弦楽のためのセレナード
DVD(image ID0374RADVD)

20世紀の音楽
1.ウォルフガング・リーム/二重の奥で
   〜2人の女声と管弦楽のための
2.ブリテン/テノール、ホルンと弦楽のための
       セレナードOp31
3.ドビュッシー/夜想曲から「雲」「祭り」
4.ラヴェル/ラ・ヴァルス

  ステラ・ドゥフェクシス(メゾソプラノ)(1)
  アンナ・ラーション(アルト)(1)
  フィリップ・ラングリッジ(テノール)(2)
  シュテファン・ドール(ホルン)(2)
  クラウディオ・アバド指揮
   ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
   録画 2000年

 アバドが20世紀作品を取り上げた演奏会のライヴです。ウォルフガング・リーム(1952〜)はドイツの作曲家でアバドが積極的に演奏会で紹介しています。ノーノやリゲティなどと共に演奏されています。
 「二重の奥で〜2人の女声と管弦楽のための」はメゾソプラノとアルトをソリストにした声楽作品ですが大管弦楽を必要とするシンフォニーのようです。現代作品(1999年作)でその音響と不協和音は凄まじいです。声楽は歌詞があるようですがむしろヴォーカルとして楽器のような扱いとなっているように感じます。声楽は休み休み挿入されています。
 ブリテンのテノール、ホルンと弦楽のためのセレナードは1943年の作品で、ピーター・ピアーズとデニス・ブレインのために書かれた傑作です。第1曲「プロローグ」と第8曲「エピローグ」はF管の自然倍音で演奏するようになっていますので、ドールはこの2曲だけナチュラルホルンを吹いています。大変流暢な演奏で見事なものです。なおドールはステージの右側(上手)で演奏しています。テノールは中央です。
  第2曲「パストラール」はラングリッジの力強い歌唱があります。第3曲「ノクターン」はドールのホルンが分散和音的名対旋律を歌います。テノールもきれいです。ミュートのホルンがよく響きます。第4曲「エレジー」はホルンの半音階ロングトーンが続きます。ハイトーンの美しさは素晴らしいものです。第5曲「ジーグ」は弦楽とテノールの緊張感があります。ホルンも同様です。ここでホルンは中央に移動しています。第6曲「賛歌」は速いテンポで吹くホルンの鮮やかな演奏が素晴らしい。テノールの歌唱も凄い。第7曲「ソネット」はテノールと弦楽だけの演奏で穏やかで美しい響きが素晴らしい。第8曲「エピローグ」はステージ裏から「プロローグ」と同じ楽譜で演奏しますが、映像ではホール一杯に聞こえるホルンの音を天井を映すことで広がりを表現しています。これは素晴らしい演奏です。
 ドビュッシーの「夜想曲」から「雲」「祭り」が演奏されています。1899年に完成された作品で印象派ドビュッシーの代表作の1つです。
「雲」はコールアングレの響きが弦楽と共に雲上の世界を表現しているかのようです。フルートとハープによる主題もまた印象的です。「祭り」は対照的に華やかです。
 ラヴェルの「ラ・ヴァルス」は1919〜20年の作品。ワルツでありながらワルツでないような壮大な音楽です。演奏は難しい様子が伝わってきます。


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