クリストフ・エス

ジャーマン・ホルン・サウンド/ホルン・ライクス(2017)
CD(GENUIN GEN18493)

ホルン・ライクス
1.ヘンデル/組曲「水上の音楽」より「アレグロ」
2. 〃   /歌劇「リナルド」より
          「私を泣かせてください」
3.ペルゴレージ/「スターバト・マーテル」より
         「悲しみの聖母は立っていた」
4.ドヴォルザーク/交響曲第9番より
                第2楽章「ラルゴ」
5.ブルックナー/3つのコラール
6.メンデルスゾーン/「エリア」より
        「なぜなら彼は天使たちに命じて」
7.    〃  /「真夏の夜の夢」より「夜想曲」
8.バッハ/ブランデンブルク協奏曲第2番より
              第3楽章
9.マルチェルロ/オーボエ協奏曲ニ短調より
            「アダージョ」
10.ブルックナー/交響曲第4番よりスケルツォ
11.ヴェルディ/レクイエムより「奉献唱
14.ピアソラ/メディタンゴ
15.ワーグナー/「ジークフリート」より
                    「森のささやき」
16.シューベルト/交響曲第8番より第2楽章
17.フンパーディンク/「ヘンゼルとグレーテル」より
                「夕べの祈り」
18.ウェーバー/「魔弾の射手」より
              「村の人々の合唱」
  編曲 クリストフ・エス(1、9〜11)
  シュテファン・ショットシュテット
       (2〜4、8、12、13&15〜18)
  ミヒャエル・ヘルツェル&クリストフ・エス(5〜7)
  ゲオルク・ケーラー(14)

  ジャーマン・ホルン・サウンド
  クリストフ・エス(ホルン)
  ゼバスティアン・ショル(ホルン)
  シュテファン・ショットシュテット(ホルン)
  ティモ・シュタイニンガー(ホルン)
  録音2017年5月15〜18日

 4本のホルンのための編曲集です。それぞれがホルンのためでないパートをホルンで吹きますので驚きの連続です。
 ヘンデルの組曲「水上の音楽」は第1組曲の第3曲のアレグロをホルンだけで演奏しています。木管楽器や弦楽で応答するフレーズもホルンで演奏しますので、リピートしているかのように聞こえます。クリストフ・エスの編曲です。
 ヘンデルの歌劇「リナルド」より「私を泣かせてください」はオペラアリアです。これはホルンのアンサンブルの美しさがあります。これはメンバーのショットシュテットの編曲です。
 ペルゴレージの「スターバト・マーテル」よりの「悲しみの聖母は立っていた」はキリスト教の聖歌ですから音楽の原点です。ホルンのアンサンブルの美しさは素晴らしいものです。これもショットシュテットの編曲です。
 ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」の第2楽章「ラルゴ」をホルンだけで演奏するというのは初の試みです。美しい主題はイングリッシュホルンで演奏されますので、これをホルンで演奏したらまたいいものです。木管楽器や弦楽の主題もホルンで演奏するというのもまた興味深いです。カットは多いですが聴きどころはたくさんあります。これもショットシュテットの編曲です。
 ブルックナーの3つのコラール「アンダンテ」「アレルヤ」「祈り」はミヒャエル・ヘルツェルとクリストフ・エスの編曲です。美しいホルンアンサンブルです。
 メンデルスゾーンの「エリア」より「なぜなら彼は天使たちに命じて」もミヒャエル・ヘルツェルとクリストフ・エスの編曲です。ホルンによる合奏は合唱とは違う魅力があります。
 メンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」より「夜想曲」はホルンの活躍する作品として有名です。この「夜想曲」を4本のホルンだけで演奏するという贅沢なアレンジです。弦楽のパートもホルンで吹く休むひまなしのアレンジですから凄いです。これもミヒャエル・ヘルツェルとクリストフ・エスのアレンジです。
 バッハのブランデンブルク協奏曲第2番より第3楽章「アレグロ・アッサイ」はトランペットのソロが普通ですが、ホルンのソロで演奏することがあります。オーボエとリコーダーとヴァイオリンもソロ楽器になりますのでこれもホルンで吹いています。このアレンジは今まで聴いたことのない素晴らしいものです。これはショットシュテットの編曲です。
 マルチェルロのオーボエ協奏曲ニ短調はバロック作品の名曲です。「アダージョ」はイタリア映画「ヴェニスの愛」で使われて一躍有名になりました。ホルンで聴くのもまたいいものです。これはクリストフ・エスの編曲です。
 ブルックナーの交響曲第4番より「スケルツォ」といえば4本のホルンが大活躍する名曲です。これを4本のホルンだけで演奏してもやっぱり同じような雰囲気です。フルートのパートをホルンで吹いてもトランペットのパートをホルンで吹いても違和感がありません。これはクリストフ・エスの編曲です。
 ヴェルディの「レクイエム」より「奉献唱」は合唱曲ですがホルンのアンサンブルで聴くのもまたいいものです。これもクリストフ・エスの編曲です。
 ピアソラといえば「リベルタンゴ」が有名ですが「メディタンゴ」もまたいい曲です。このアレンジは演奏も楽しそうです。これはゲオルク・ケーラーの編曲です。
 ワーグナーの楽劇「ジークフリート」より「森のささやき」は名曲です。これを4本のホルンだけで演奏するというのは冒険ですが、実に見事な演奏素晴らしいアレンジです。聴きどころだけの短い小品です。これはショットシュテットの編曲です。
 シューベルトの交響曲第8番より第2楽章「アンダンテ・コン・モト」はホルンの出番が多い作品です。このアレンジではクラリネットやオーボエの主題もホルンで吹いています。原曲より難しいと思われます。これもショットシュテットの編曲です。
 フンパーディンクの歌劇「ヘンゼルとグレーテル」より「夕べの祈り」はホルンで演奏されることの多い作品です。これはショットシュテットの編曲ですが大変素晴らしい演奏になっています。
 ウェーバーの歌劇「魔弾の射手」というば「狩人の合唱」が有名ですが「村の人々の合唱」を4本のホルンで演奏すると「狩人の合唱」にひけをとらない名曲に変身します。これもショットシュテットの編曲です。素晴らしい演奏です。
 このアルバムは4本のホルンだけで演奏しているとは思えないほど充実した響きの素晴らしいものです。絶賛したいと思います。


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