クリストフ・エス
ジャーマン・ホルンサウンド/展覧会の絵(2014) |
|
|
CD(GENUIN GEN15340)
ジャーマン・ホルンサウンド/絵画
1.ムソルグスキー/「展覧会の絵」〜プロムナード
2. 〃 /「展覧会の絵」〜小人
3. 〃 /「はげ山の一夜」
4. 〃 /「展覧会の絵」〜プロムナード2
5. 〃 /「展覧会の絵」〜古城
6.ショスタコーヴィチ/管弦楽組曲〜ワルツ2
7. 〃 /管弦楽組曲〜舞曲1
8.ムソルグスキー/「展覧会の絵」〜プロムナード3
9. 〃 /「展覧会の絵」〜チェルリーの庭
10. 〃 /「展覧会の絵」〜ビドロ
11.プロコフィエフ/「ロメオとジュリエット」
〜モンタギュー家とキャピュレット家
12. 〃 /「ロメオとジュリエット」
〜タイボルトの死
13. 〃 /「ロメオとジュリエット」
〜ジュリエットの死
14.ムソルグスキー/「展覧会の絵」〜プロムナード4
15. 〃 /「 〃 」〜殻をつけたひなの踊り
16.チャイコフスキー/「くるみ割り人形」〜小序曲
17. 〃 /「くるみ割り人形」〜金平糖の踊り
18. 〃 /「くるみ割り人形」〜ロシアの踊り
19. 〃 /「くるみ割り人形」〜アラビアの踊り
20. 〃 /「くるみ割り人形」〜花のワルツ
21.ムソルグスキー/「展覧会の絵」
〜ババ・ヤーガの小屋
22. 〃 /「展覧会の絵」〜キエフの大門
ハンネス・クレーマー指揮
ジャーマン・ホルンサウンド8.1
シュテファン・ショットシュテット(ホルン)
ラルフ・フィッカー(ホルン)
マルティン・グロム(ホルン)
カルステン・ドゥフィン(ホルン)
ティモ・シュタイニンガー(ホルン)
クリストフ・エス(ホルン)
クリスティアン・ランペルト(ホルン)
ゼバスティアン・ショル(ホルン)
ジーモン・レースラー(打楽器、ピアノ、チェレスタ)
録音 2014年4月17〜19日
ジャーマン・ホルンサウンドの2作目アルバムは「展覧会の絵」で、8本のホルンのための編曲で全曲かと思って聴いていると、「小人」のあとに「はげ山の一夜」が演奏されますので収録ミスかなと思いましたら、そうではなくて「展覧会の絵」の合間に別の「絵画」を入れた演出になっていました。
「展覧会の絵」は8本のホルンと打楽器のためにメンバーのシュテファン・ショットシュテットが編曲しています。冒頭のプロムナードはホルン・ソロで始まりますがホルン・アンサンブルの「展覧会の絵」は待望の編曲です。残念ながら「サミュエル=ゴールデンベルクとシュミーレ」から「死せる言葉による死者への語りかけ」までの4曲は抜けています。「古城」でソロを吹くホルンの響きががアルトサックスのように聞こえてきますので面白いです。バックに響くミュートのホルンが弦楽を思わせます。「チェルリーの庭」はさながらホルン協奏曲のようです。「ビドロ」はホルンのソロが良く合います。アシュケナージ版では複数のホルンで吹いていますが、ラヴェル版のユーフォニウムさながらにホルンで吹くのはピッタリです。なぜか細めのユーフォニウムのようです。「殻をつけたひなの踊り」ではミュートで高音を吹くところがいかにも鳥の鳴き声のようでラヴェル版では考えられなかった表現です。絶妙な演奏です。「ババ・ヤーガの小屋」はホルン・アンサンブルの醍醐味が味わえる見事なアレンジです。「キエフの大門」はまるでオーケストラのようです。パーカッションが入って盛り上げてくれます。この「キエフの大門」がアルバムの最後になっています。
「はげ山の一夜」はホルンと打楽器のための編曲をゲオルグ・ケーラーが施しています。マリンバの響きがホルンを引き立ててくれます。ホルンの響きがトロンボーンにも似ていて効果的な編曲です。
ショスタコーヴィチの「ワルツ2」と「舞曲1」はクリストフ・エスの編曲でホルン・アンサンブルの魅力あふれる演奏です。この2つが「古城」のあとに挿入されます。
「ロメオとジュリエット」から3曲演奏されますが、ホルンと打楽器とピアノのための編曲はシュテファン・ショットシュテットが施しています。ホルンが活躍する作品だけに編曲は面白いです。「モンタギュー家とキャピュレット家」はわくわくものです。「タイボルトの死」はまた絶妙な編曲でここまでやるとは思いませんがピアノが効果的に演奏されます。この曲ではホルンが大活躍ですからそのホルンで演奏されるのはたまらないでしょう。「ジュリエットの死」は悲劇の場面の音楽でここでもホルンが重要な主題を吹きます。金管楽器の響きでオーケストラを表現する見事な編曲と演奏です。このあとに悲しげなプロナードが入るのが効果的です。
「殻をつけたひなの踊り」のリズムに似た「くるみ割り人形」の小序曲が続くのは自然の流れのようです。このホルンで演奏する「くるみ割り人形」はまたよいもので、8本だからこそできる和音があります。「金平糖の踊り」ではさすがにチェレスタをソロに使ってホルンは伴奏に徹していますが、ハイトーンを使うのでかなりきつそうです。「ロシアの踊り」では速いテンポのトレパークを絶妙なアンサンブルで演奏します。「アラビアの踊り」ではイングリッシュホルンのソロをフレンチホルンで吹く洒落がまたよく合います。「花のワルツ」は序奏なしでホルンの主題が入るところからの演奏です。クラリネットのソロをホルンで吹くのもよいものですが、すべてホルンですから木管のフレーズも吹くことになってかなりの難曲です。
このあとに「ババ・ヤーガの小屋」と「キエフの大門」が演奏されてアルバムが終わります。なんとも中身の濃いアルバムです。 |
|
|
|