クリストフ・エス
4本のホルンのための「ジークフリートとヴィオレッタ」(2012) |
|
|
CD(GENUIN GEN-13264)2枚組
ワーグナーとヴェルディの音楽に基づく4本のホルンと
語りによる3幕のオペラ断章
CD1
前奏曲
01.「タンホイザー&運命の力」序曲
第1幕
02.ナレーション
03.「さまよえるオランダ人」序曲
04.ナレーション
05.「タンホイザー」から「狩りの音楽」
06.ナレーション
07.「タンホイザー」より「巡礼の合唱」
08.ナレーション
09.「トリスタンとイゾルデ」から「狩りの音楽」
10.ナレーション
11.「椿姫」第3幕への前奏曲&
「ローエングリン」第1幕への前奏曲
12.ナレーション
13.「椿姫」より「ああ、そは彼の人か」
14.ナレーション
15.「ローエングリン」より「婚礼の合唱」
16.ナレーション
17.「椿姫」より「花から花へ」
18.「リゴレット」より「女心の歌」
第2幕
19.ナレーション
20.「タンホイザー」より「夕星の歌」
21.ナレーション
22.「ローエングリン」より「愛のシーン」
23.ナレーション
24.ジークフリート牧歌
25.ナレーション
26.「ニュルンベルクのマイスタージンガー」 第3幕への前奏曲
27.ナレーション
28.「アイーダ」第1幕への前奏曲
29.ナレーション
30.「アイーダ」より「凱旋行進曲」
CD2
間奏曲
01.「ドン・カルロ」第2幕への前奏曲
第3幕
02.ナレーション
03.「パルジファル」第1幕への前奏曲
04.ナレーション
05.「パルジファル」より「聖金曜日の奇跡」
06.ナレーション
07.ヴェルディ「レクイエム」より「涙の日」
08.ナレーション
09.「オテロ」第4幕への前奏曲
10.「オテロ」より「アヴェ・マリア」
11.「オテロ」より「エピローグ」
12.ナレーション
13.エンリコ・トセリ/セレナーデ
14.ナレーション
15.「タンホイザー&運命の力」序曲
ボーナス・トラック
16.「トリスタンとイゾルデ」から「イゾルデの愛の死」
(編曲:シュテファン・ショットシュテット、クリストフ・エス
ライナー・ショットシュテット、ゲオルク・ケーラー)
ジャーマン・ホルン・サウンド
シュテファン・ショットシュテット(ホルン)
ゼバスティアン・ショル(ホルン)
クリストフ・エス(ホルン)
ティモ・シュタイニンガー(ホルン)
カール・ディートリヒ・グレーヴェ(語り:テオドロ)
マルティン・ザイフェルト(語り:ワーグナー)
録音2012年11月26〜28日
2013年に生誕200年を迎えるワーグナーとヴェルディのオペラの前奏曲、序曲や名場面を4本のホルンのために編曲して音楽としながら「ジークフリートとヴィオレッタ」あるいは「リシュト・ラシュト・ルストそしてルンゲ」という3幕のオペラに仕立てた面白い企画です。ローゼンドルファーとグレーヴェが台本を作り、グレーヴェは2人の登場人物の中のテオドロ役でナレーションをしています。4本のホルンのための編曲は半年をかけてジャーマン・ホルン・サウンドのメンバー、シュテファン・ショットシュテットとクリストフ・エスのほかにライナー・ショットシュテットと、ゲオルク・ケーラーの手を借りて仕上げました。
前奏曲の「タンホイザー」序曲と「運命の力」序曲をつないだ編曲は面白く、このアルバムを象徴するものです。この中で最も興奮させられるのは「さまよえるオランダ人」序曲でしょう。4本のホルンでここまで表現できるのかと肝をつぶされました。ワーグナーの作品ではすべてにホルンが活躍しますが4本でこれほどの厚みを出すジャーマン・ホルン・サウンドは凄いとしかいえません。
「タンホイザー」の「狩りの音楽」は見事な響きを出しています。この演奏は編曲というのを忘れて完璧な作品演奏です。「タンホイザー」といえば序曲の冒頭から巡礼の合唱が流れますが、この巡礼の合唱をホルンで吹いているのは素晴らしく壮大な音楽になっています。
「ジークフリート牧歌」は5分30秒ほどにまとめられていますが、弦楽のメロディをホルンが吹いていますので難しいことでしょう。しかしながらこの名曲を4本のホルンで吹くのは初めて聞きます。ワーグナーの作品はホルンにたくさん編曲されますが「ジークフリート牧歌」をよく編曲してくれました。「パルジファル」と「「トリスタンとイゾルデ」もホルンで聞くと感慨深いものがあります。
ヴェルディの作品では「ドン・カルロ」第2幕への前奏曲が素晴らしい響きで、ホルン・アンサンブルとしても完璧な作品であり感動させられます。また「リゴレット」の「女心の歌」は楽しいです。ホルンの編曲としてこれからも演奏されることでしょう。「アイーダ」の前奏曲と「凱旋行進曲」は是非ホルンで吹いてみたい作品でしょう。
エンリコ・トセリの「セレナーデ」が演奏されていますが、イタリアの作曲家で「嘆きのセレナード」とも言われるこの作品をどうしても入れたかったのでしょう。「椿姫」のように悲劇的なメロディがよくマッチしています。 |
|
|
|