福川 伸陽
ハルモニームジーク/ベートーヴェン/交響曲第7番&フィデリオ |
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CD(CRYSTON OVCC-00113)
ハルモニームジーク
1.ベートーヴェン/交響曲第7番Op92
(管楽アンサンブル版)
2.ベートーヴェン/歌劇「フィデリオ」より
1)序曲
2)第1幕:二重唱「ようやく二人きりになったね」
3)第1幕:アリア「もしあなたと一緒になれて」
4)第1幕:四重唱「何という不思議な気持ちでしょう」
5)第1幕:行進曲
6)第2幕:アリア「人生の春の時に幸福が」
7)第2幕:二重唱「ああ、えもいわれぬ喜び!」
(セドラク編)
NHK交響楽団管楽アンサンブル
青山 聖樹(オーボエ)
和久井 仁(オーボエ)
伊藤 圭 (クラリネット)
山根 孝司(クラリネット)
福川 伸陽(ホルン)
勝俣 泰 (ホルン)
水谷 上総(ファゴット)
森田 格 (ファゴット)
吉田 秀 (コントラバス)
録音 2014年6月17&20日
東京 Hakuju Hall
レコードやCDのなかった時代に、音楽を楽しむためにいろいろの編曲がされました。この管楽アンサンブルのための交響曲の編曲者は不明ですがはベートーヴェンが認めたらしいです。この交響曲第7番は原曲がイ長調という華やか響きの作品ですが、管楽アンサンブルの編曲は1音低いト長調になっています。そのため聞きなれた耳には少し違和感を感じます。第2楽章と第4楽章も1音低くなっているのですが、第3楽章だけは原曲のヘ長調のままになっています。
さて第1楽章ですが大人しい響きとなっているのはフルートが入っていないためです(この管楽八重奏はディヴェルティメントなどで使われる編成ですが、当時オリジナル作品だけでなくこのようなアレンジものを度々演奏したものと思われます)。提示部の主題は原曲ではフルート・ソロですがここはオーボエで演奏しています。展開部になると弦楽パートを各楽器が受け持ちますので大変忙しくなります。クラリネットとファゴットが大忙しです。さすがにN響の皆さん素晴らしい演奏になっていますが原曲を何度も演奏しているでしょうから逆に苦労されたことと思います。コーダはファゴットがベースのフレーズを吹いています。
第2楽章はト短調になっています。ここは原曲は弦楽の聴きどころですが、クラリネットとファゴットが大変良い響きで歌っています。オーボエとホルンが加わるとこの楽章の素晴らしさが伝わってきます。第3楽章は原曲と同じヘ長調ですから管楽器が大変よく響きますし、聞きなれた響きにほっとします。弦楽なしでも十分いけると思いました。トリオのクラリネットとホルンが大変きれいです。後半カットがあります。第4楽章はト長調で管楽器の超絶技巧の連続になります。クラリネットとオーボエはヴァイオリンのパートの掛け合いになります。ホルンの二重奏は素晴らしい響きです。かなりの短縮ですがこの楽章の素晴らしさはよくわかります。
歌劇「フィデリオ」ハイライトはセドラクの編曲です。ここでも序曲は1音低いハ長調で演奏されています。そのため張りつめたホルンのソロがちょっと甘く聞こえてきます。また弦楽のパートを木管楽器が総出で演奏しています。以下のオペラ・アリア集はアリアを各楽器が歌いますのでこれは楽しいことでしょう。第2幕のアリア「人生の春の時に幸福が」ではレオノーレ序曲に出てくる主題が歌われます。このハルモニームジークはオペラなどをを管楽八重奏に編曲して演奏していたそうですから、王侯貴族の方々には喜ばれたことでしょう。N響アンサンブルの超絶技巧を楽しめることは大変うれしいことです。 |
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