スティーヴン・グロス
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CD(SUMMIT DCD511)
バロック・ホルン協奏曲集
1.バッハ/ブランデンブルク協奏曲第2番へ長調
2.クヴァンツ/ホルン協奏曲第3番変ホ長調
3.ハイニヒェン/2つのホルンの為の協奏曲ヘ長調
4.レーリッヒ/ホルン協奏曲第14番変ホ長調
5.ネルーダ/ホルン協奏曲変ホ長調
スティーヴン・グロス(ホルン)(1〜5)
スティーヴ・ダーニン(ホルン)(3)
デイル・クレヴェンジャー指揮
カペラ・イストロポリターナ
録音2008年
スティーヴン・グロスとデイル・クレヴェンジャーによる3作目のアルバムです。バロック時代の珍しいホルン協奏曲とバッハのブランデンブルク協奏曲が収録されています。
バッハのブランデンブルク第2番へ長調はソロをトランペットで演奏するのが普通ですが、この録音のようにホルンで演奏されることは珍しくないようです。71年のタックウェルの録音以来度々ホルンで演奏されます。グロスのホルンは明るくバッハのホルン協奏曲として吹いています。この協奏曲ではヴァイオリン、オーボエとフルートが活躍します。第2楽章はヴァイオリン、オーボエ、フルートとチェロのトリオ・ソナタのようでホルンは入りません。第3楽章はホルンの細かいフレーズの演奏が素晴らしく、ヴァイオリン、オーボエ、フルートのからみと共にやわらかい響きがトランペットとは異なる響きに癒されます。
クヴァンツのホルン協奏曲第3番はこちらもタックウェルの録音以来馴染み深い曲になりました。グロスの演奏は歯切れの良い素晴らしいものです。第3楽章のロンド風の楽章はモーツァルトのように細かいフレーズの連続があります。
ハイニヒェンの2つのホルンの為の協奏曲はダムの録音がありますが録音の数少ない曲です。当時ナチュラルホルンで演奏するのはかなり難しかったことでしょう。現代のホルンでもかなりの難曲と思います。第2楽章冒頭で響くフルートには癒されます。2本のホルンの美しい和音とフルートの和音も聞きものです。第3楽章のホルンの掛け合いはこだまのように響きます。新たな名演としておすすめしたい演奏です。
レーリッヒのホルン協奏曲第14番変ホ長調もタックウェルの録音によって知られるようになりました。第1楽章の狩りのホルンのようなたのしいメロディは印象的です。第3楽章はメヌエットになっていて美しいホルンのソロが聞かれます。
ネルーダのホルン協奏曲変ホ長調はアイファー・ジェームズによって初めて録音された曲で、本来はクラリーノの協奏曲でディスカントホルンで演奏されますが、このグロスの演奏はオクターブ低いため重い響きの音色になっています。まるで違う作品を聞いているかのようです。カデンツァが素晴らしい。第3楽章は原曲ではハイトーンが続きますがオクターブ低く吹くと落ち着いたホルンになってこちらのほうがホルン協奏曲らしいです。 |
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