スティーヴン・グロス

ボヘミアのホルン協奏曲集
CD(SUMMIT DCD 546)

ボヘミアのホルン協奏曲集
1.ハヴリーク/ホルンと弦楽のための協奏曲
2.シュティヒ/ホルン協奏曲第5番ヘ長調
3.ロゼッティ/ホルン協奏曲第2番変ホ長調

  スティーヴン・グロス(ホルン)(1〜3)
  イルジー・ハヴリーク指揮
   カメラータ・フィルハーモニカ・ボヘミア
    録音 2010年

 スティーヴン・グロスによるボヘミアのホルン・コンチェルト集です。ボヘミアのホルン協奏曲といえばシュティヒ(プント)やロゼッティ、ポコルニーなどの作品が知られていますが、このアルバムには現代の作品イルジー・ハヴリークのホルンと弦楽のための協奏曲(1977)が収録されています。
 チェコ・フィルのホルン奏者、ハヴリークのホルン協奏曲は彼の学生時代の作品です。(ハヴリークはすでにピアノ版で録音しています。)第1楽章にはパウエルのホルン協奏曲のメロディーによく似た音型があります。第1楽章:アレグロ・リベロ、第2楽章:モルト・レント・カルモ、第3楽章:ヴィヴォとなっており、弦楽合奏の響きはブリテンを思わせる響きが感じられます。また第3楽章の明るさはボヘミア伝統のホルンを感じさせます。このグロスの演奏によって初めてハヴリークのホルン協奏曲の弦楽オーケストラ版を聴けるようになりました。まさに傑作といえる作品です。
 シュティヒのホルン協奏曲第5番は最近録音が多い作品ですが、この演奏では第1楽章の序奏でホルンのオクターヴの音型がカットされています。グロスの演奏はこのホルン協奏曲の特徴、装飾音を巧みに吹いています。楽しい気分になります。
 ロゼッティのホルン協奏曲第2番変ホ長調はバウマンやブヤノフスキーによって録音されていますが、名曲ニ短調よりも録音数が多いです。やはり明るい響きと、テクニックを要するところから愛奏されるのかもしれません。第3楽章:ロンドは狩のロンドともいえる楽しい曲です。


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