シャオ=ミン・ハン
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CD(OEHMS OC1804)
ホルンのためのロマンティック作品集
1.F・シュトラウス/告別
2. 〃 /夜想曲Op7
3. 〃 /主題と変奏Op13
4. 〃 /シューベルトの
「あこがれのワルツ」による幻想曲Op2
5.R・シュトラウス/アルプホルン
6. 〃 /アンダンテ
7. 〃 /序奏、主題と変奏変ホ長調
8.R・シュトラウス〜ハーゼネール編
もうひとりのティル・オイレンシュピーゲル
シャオミン・ハン(ホルン)(1〜8)
カーチャ・ブースト(メゾ・ソプラノ)(5)
ペーター・シュマルフス(ピアノ)(1〜7)
ドラ・ブラチコヴァ(ヴァイオリン)(8)
ライナー・ミューラー=ファン・レクム(クラリネット)(8)
マルク・エンゲルハルト(ファゴット)(8)
マルティン・ドブナー(コントラバス)(8)
録音 1996年4月(1〜7)
1995年2月(8)
シャオミン・ハンは上海生まれの中国のホルン奏者で1985年からドイツで活躍している名手です。ドイツのオーケストラは改名や合併が多いのですがシャオミン・ハンはザールブリュッケン放送交響楽団の首席ホルン奏者を1985年からつとめており、現在は2007年に合併してザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団と改名したオーケストラで首席ホルン奏者をつとめています。そのホルンの音色はドイツのホルン奏者らしい美しい響きです。
フランツ・シュトラウスの「告別」はシュマルフスの素晴らしいピアノで冒頭圧倒されます。ハンのホルンは哀愁的な響きでこの上ない見事な演奏をきかせます。軽いビヴラートは水野信行のようです。
「夜想曲」はたくさんの録音がありますがこの演奏の格調高いこと流麗なこと滑らかなレガートの美しいこと、もはやこれ以上望めないのではないかと思うほどです。これがホルンだ、ノクターンだという名演です。
「主題と変奏」もピアノの序奏に圧倒されます。一瞬ホルンの作品ということを忘れそうですが、ハンのホルンが穏やかに響くとまた気持ちのよいものです。変奏曲ではハンの卓越したホルンの鮮やかな演奏が素晴らしい。
シューベルトの「あこがれのワルツ」による幻想曲はシューベルトのピアノ曲を題材にした作品でピアノ伴奏もシューベルトを意識した響きになっています。ホルンの響きの良さとピアノが作る響きには癒されます。
リヒャルト・シュトラウスの「アルプホルン」はメゾソプラノとホルンとピアノによる演奏です。アルプホルンを模倣した冒頭のホルンがきれいです。ブーストの歌唱は時によく響きますがホルンが遠慮なく歌います。
「アンダンテ」はホルンとピアノが一体となって大きな音楽を作っています。ホルンだけでなくピアノの存在感が大きい作品です。シュマルフスのピアノが素晴らしい。
「序奏、主題と変奏」はR・シュトラウスが14歳の時の作品ですが、とても少年の作品とは思えない素晴らしい曲です。主題と5つの変奏曲は演奏が難しく、父フランツも演奏できないところがあったようです。ハンの演奏はタックウェルの演奏を思わせるもので、まさに名演。
最後の「もうひとりのティル・オイレンシュピーゲル」は五重奏の演奏です。各楽器の演奏がよくわかりクラリネットのグリッサンドの面白さは聞き所です。ホルンの活躍するこの作品ではホルンの存在感は大きいです。ティルの主題を堂々と吹くハンの演奏はさすがに見事です。 |
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