ギュンター・ヘーグナー
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CD(DGG F00G 27098)
モーツァルト/ホルン協奏曲全集
1.ホルン協奏曲第1番ニ長調K412
2.ホルン協奏曲第2番変ホ長調K417
3.ホルン協奏曲第3番変ホ長調K447
4.ホルン協奏曲第4番変ホ長調K495
ギュンター・ヘーグナー(ウィンナ・ホルン)
カール・ベーム指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
録音 1978年11月28日(3)
1979年3月9日(2)
1979年12月17日(1)
1979年12月22日(4)
1980年4月10日(3、4のカデンツァ)
これは現在唯一のウィーン・フィルの演奏です。ヘーグナーのウィンナホルンは穏やかな演奏で派手さはなく、おとなしいですが、とても安心して聞けます。
ホルン協奏曲第1番の第1楽章はゆったりとした演奏でとても癒されます。バックのウィーン・フィルはモーツァルトの演奏においては最高のオーケストラだけにこの演奏は美しい響きにあふれています。第2楽章は弦楽の響き、ホルンの響き共に素晴らしいです。
ホルン協奏曲第2番で聴く弦楽の美しさは絶品で、ベームの音作りの素晴らしさがあります。ウィンナホルンで聴く演奏もまたいいものです。第2楽章は弦楽の美しい響きとホルンの豊かな響きが素晴らしいです。第3楽章のロンドは軽快なホルンが聴かれます。速いフレーズでウィンナホルン独特の響きが聴かれます。
ホルン協奏曲第3番は冒頭の「ドーソード」を目立たないように演奏しています。ソロはF管ホルンの特徴的な太い響きが聴かれます。難しいのですがこれがウィンナホルンの音です。そしてレガートの滑らかな演奏が続きます。カデンツァは良い響きです。第2楽章のロマンツェは弦楽の美しさと太い音色のホルンが素晴らしい演奏です。第3楽章のアレグロは軽やかなホルンでレガートによる滑らかな演奏です。
ホルン協奏曲第4番は序奏の良い響きとホルンの温かな響きがきれいです。この流麗なモーツァルトはウィーン・フィルならではのものといえましょう。展開部の優雅な響きもたまりません。カデンツァはオリジナルの長いものです。よくできています。第2楽章のロマンツェは穏やかに歌います。弦楽がきれいです。第3楽章のロンドは軽やかで滑らかな演奏です。オーケストラの響きもよくさわやかなモーツァルトです。コーダ前にカデンツァは入りません。
それにしてもこのF管シングルのホルンの難しさがよくわかる演奏です。渋い音色ですが芯の通ったホルンはウィーンの響きとして大切にしたいものです。
(1989年発売ポリドール盤) |
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