イェンス・ユール
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CD(CLASSICO CLASSCD 320)
森の中で/ホルンのためのデンマーク音楽
1.ベンソン/ホルン・ソナタOp47
2.ボチンスキー/ホルンのための装飾
3.トマス・エーヤフェルト・オレセン/演奏家のために
4.エリク・バッハ/ホルンとピアノのための
「ゼロを越えて」Op56
5.ラシー/ホルンとピアノのための「ソ、ファ、シ、ド」
6.ルント/ホルンのため3つの小品Op129
7.マルテンセン/森の孤独
8.ベンソン/森の中でOp239〜ホルンのための
イェンス・ユール(ホルン)
(ハンスホイヤー・トリプル・モデル4812)(2、6&8)
(ハンスホイヤー・モデル803A)(1、3〜5&7)
ウルリヒ・スタルク(ピアノ)(1、3〜5&7)
録音 2000年
デンマークのホルン奏者イェンス・ユールによる現代作品集です。ラシーだけはアメリカ生まれでデンマークで活動しています。ベンソンの作品以外は1990年以後の作品です。ソロ・ホルンの演奏ではトリプル・ホルンを吹いています。
ベンソンのソナタはウィルヘルム・ランツキー=オットーによって紹介された作品で、デンマークのホルン作品としてはニールセンの「カント・セリオーソ(厳粛な歌)」と共に有名です。これは3楽章の作品。
ボチンスキーの「ホルンのための装飾」はソロ・ホルンのための曲で1998年の作品、低音から高音まで使う難曲です。トマス・エーヤフェルト・オレセンは1969年生まれ。「演奏家のために」はイェンス・ユールのために1998年に書かれたものです。大変静かに始まり、やがて突然叫ぶようなフレーズが聴かれます。
エリク・バッハの「ゼロを越えて」は12分を越える作品で、かなり難しい曲です。ブッチ・ラシーの「ソ、ファ、シ、ド」は穏やかな音楽です。このアルバムの中では安らぎを感じさせる音楽です。ルントの3つの小品はホルン・ソロのための作品で1991年に作曲、1997年に改訂されています。緩急、リズム、多様な作品です。3曲目に息だけを「シュッ」と吹くところ(hissing)が2度あります。
マルテンセンの「森の孤独」は森で叫ぶような雰囲気を感じさせる小品。ホルンの雄叫びがあります。
最後のベンソンの「森の中で」は8つの部分に分かれるホルン・ソロのための作品。1.「池で」は穏やかな水面に森が映るような雰囲気、2.「日陰」では暗いイメージをミュートで吹き、3.「枝に止まる2羽の鳥」ではミュートを使って鳥の鳴き声を吹いたり、4.「夕暮れ」でもミュート、5.「狐の狩り」では狐が飛び跳ねるような音型が吹かれます。追いかける様子が面白い。6.「幽霊の出る場所」では気味が悪い様子を、7.「カエル」ではシュッと吹く音、声で吹く音などいかにも飛び出しそうな雰囲気。8.「日没」は寂しそうなホルンがきれいです。面白い作品です。
このアルバムは多彩な作品を楽しく聞けるよう、飽きさせないプログラムになっっています。 |
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