アラン・シヴィル
バッハ/ブランデンブルク協奏曲第1番へ長調(1960) |
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CD(EMI TOCE-91023・24)2枚組
バッハ/ブランデンブルク協奏曲全集
1.ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調BWV1046
2. 〃 第2番ヘ長調BWV1047
3. 〃 第3番ト長調BWV1048
4. 〃 第4番ト長調BWV1049
5. 〃 第5番ニ長調BWV1050
6. 〃 第6番変ロ長調BWV1051
シドニー・サトクリフ(オーボエ)(1&2)
ピーター・ニューベリー(オーボエ)(1)
スタンリー・スミス(オーボエ)(1)
アラン・シヴィル(ホルン)
アンドルー・ウッドバーン(ホルン)
ヒュー・ビーン(ヴァイオリン)
セシル・ジェームズ(ファゴット)
アドルフ・シェルバウム(トランペット)(2)
ガレス・モリス(フルート)(2&4)
アーサー・アクロイド(フルート)(4)
ジョージ・マルコム(チェンバロ)
オットー・クレンペラー指揮
フィルハーモニア管弦楽団
録音 1960年9月30日〜10月11日
クレンペラーがフィルハーモニア管弦楽団を指揮したブランデンブルク協奏曲全集です。
第1番は第1楽章のバランスの良い響きがすばらしくホルンの響きがまたきれいです。第2楽章はオーボエとヴァイオリンの響きが実にきれいです。ゆったりとしたアダージョの美しさがあります。第3楽章は2本ホルンがよく響きます。ヴァイオリン・ソロも素晴らしい。第4楽章は遅いテンポのメヌエットで始まります。第1トリオでは3本のオーボエとファゴットがバランスよく響きます。ポロネーズは速めのテンポで勢いがあります。第2トリオは2本のホルンとオーボエのきれいな和音で響きます。リピートがあります。最後のメヌエットも遅いです。
第2番はシェルバウムのトランペットが完璧な演奏です。この演奏の素晴らしいところは乱れがなくバランスの良さでしょう。オーボエやフルートもきれいです。第2楽章はゆったりとしたアンダンテでオーボエ、フルート、ヴァイオリンのトリオがとても哀愁的に聞こえています。
第3楽章トランペットが華麗な響きでフルート、オーボエ、ヴァイオリンもよく響きます。
第3番は弦楽による演奏で大変重厚な響きになっています。第2楽章の短いアダージョは弦楽のみですぐに第3楽章に入ります。弦楽の力強い響きがきれいです。
第4番は2本のフルートが華やかに奏でます。ヴァイオリン・ソロの生々しい響きが素晴らしい。第2楽章は弦楽の重厚な響きとフルートの織り成す響きが素晴らしい。遠近感のあるこだまがきれいです。第3楽章はフルートとヴァイオリンの活躍が素晴らしい。
第5番は弦楽の序奏のあとにフルート、ヴァイオリン、チェンバロがトリオ・ソナタのように語り合いながら演奏するバッハの代表的な協奏曲のひとつです。チェンバロの響きがやわらかで気持ちよいです。クレンペラーのバッハは味が違います。チェンバロの長いソロも見事です。第2楽章はチェンバロとフルートのやわらかな響きとヴァイオリンの対話がきれいです。第3楽章の跳ねるようなリズムはヴァイオリンとフルートの息の合った演奏が聴きどころでしょう。チェンバロの細かいフレーズも見事です。
第6番はヴィオラ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、チェロ、コントラバスとチェンバロだけによるいわば中低音楽器だけによる演奏です。第1楽章は速めのテンポでヴィオラとガンバが主役でシンコペーションの主題が交錯します。第2楽章はガンバが抜けてヴィオラとチェロが優雅に優しく演奏します。第3楽章は全合奏でフーガのように追いかけてゆく主題が繰り返されています。程よいテンポでこれも素晴らしい演奏です。
クレンペラーのバッハはごっついどころか人間味があふれ温和な響きさえ聞かせてくれます。大変な名演です。 |
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