ペーター・ダム

R・シュトラウス/ホルン協奏曲第1番、第2番(1970)
CD(BERLIN Clasics  0091802BC)

1.R・シュトラウス/ホルン協奏曲第1番変ホ長調
2.    〃   /ホルン協奏曲第2番変ホ長調
3.ツィンマーマン/ニュー・ディヴェルテメント
  ペーター・ダム(ホルン)
  ハインツ・レーグナー指揮(1&2)
  ウド・ツィンマーマン指揮(3)
  ドレスデン・シュターツカペレ(1〜3)
    録音 1970年4月3日(1&2)
        1989年4月(3)

  1972年当時この録音をレコードで聞いたときはそのホルンの音に驚いたものでした。どうすればこんな明るい音がでるのかと。演奏は穏やかですが、テクニックは完璧でした。東ドイツ(当時)には凄いホルン吹きがいるものだと感心しました。
 ホルン協奏曲第1番は冒頭の和音の最後にティンパニの一打がありますが、その後に響くダムの明るい響きのホルンはかつてきいたことのない響きでした。このホルンに憧れたホルン奏者は多く、ドイツ留学はかなりの数のようです。さてダムのホルンによるシュトラウスは1975年にもケンペとの録音があるのですがこのレーグナーとの録音ほど強烈な印象を与えた演奏もないでしょう。完璧で常にこの明るい響きを保持しながらホルンを吹くダム先生のホルンは最後まで素晴らしい響きです。第3楽章のホルンは控えめに始まりますが、やはりこのホルンは驚きです。後半ののカデンツァがホール一杯に響くのは感動的です。
 ホルン協奏曲第2番はこちらも冒頭のソロがホール一杯に響きます。力強い演奏ばかりがすべてではないというような流麗なホルンが響きます。レーグナーという指揮者はまたオーケストラから素晴らしい響きを引き出しており、ダムのホルンを支えながら大きな音楽を作り出しています。第1番同様シュトラウスの作品から最高の響きを引き出しています。
  ウド・ツィンマーマン(1943〜)のニュー・ディヴェルティメントは1987年に作曲されたホルンと室内楽団のための作品です。ペーター・ダムのために作曲されています。5つの楽章で構成され、第1楽章はホルンの長いカデンツァから始まります。室内楽団とはいえティンパニが入ると大きな響きになります。第2楽章は舞曲風の作品で楽しい音楽です。第3楽章「アリエッテ・リリコ」は叙情的な歌が流れます。ホルンのソロの美しいことは驚きで現代作品とは思えません。第4楽章「タンブーラン」はその副題の通りバロック調の音楽です。間奏曲のようになっていて切れ目なく第5楽章に入ります。ここではソロがディスカントホルンに変わります。ダムはこのディスカントホルンの開発者だけに見事な演奏です。


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