ラデク・バボラーク

モーツァルト/ホルン協奏曲全集(2005&09)
CD(SONY SICC 19002)

モーツァルト/ホルン協奏曲全集
1.ホルン協奏曲第1番ニ長調K412
2.ホルン協奏曲第2番変ホ長調K417
3.ホルン協奏曲第3番変ホ長調K447
4.ホルン協奏曲第4番変ホ長調K495

  ラデク・バボラーク(ホルン)
  小澤 征爾指揮水戸室内管弦楽団
  録音 2005年7月21〜23日(1、2&4)
      2009年11月25〜27日(3)
    水戸芸術館コンサートホール・ライヴ

 バボラークが水戸室内管弦楽団と共演したモーツァルトのホルン協奏曲を全曲ライヴ録音でまとめたものです。このオーケストラはサイトウキネンのメンバーも兼ねていてバボラークは常連でした。小澤征爾の80歳を記念して発売されました。バボラークのモーツァルトは2番と4番のスタジオ録音がありますが全曲の発売は初めてでした。
 ホルン協奏曲第1番はやわらかく美しい響きのホルンでレガートのきれいな演奏は非の打ち所がありません。
 ホルン協奏曲第2番でもレガートのうまさ、流暢でよどみないホルンは低音から高音まで安定しており、現代におけるモーツァルトのお手本といえるでしょう。ロンド楽章も力みの無いホルンで素晴らしいの一言です。
 ホルン協奏曲第3番はオーケストラに支えられてホルンが穏やかにしかも美しい響きの演奏です。なんともいえないバボラークのホルンです。カデンツァはオリジナルでこちらも見事な演奏です。第2楽章:ロマンツェはアドリブも交えたきれいな演奏です。ホルンのふくよかな響きが素晴らしい。ロンド楽章は速いテンポで快活な演奏です。さすがにここは勢いがあります。
 ホルン協奏曲第4番は重厚なオーケストラに支えられてバボラークのホルンが完璧なホルンを聞かせてくれます。何の苦も無く吹いています。カデンツァの力強い演奏は聞きもので重音も使いながら低音から高音まで自在に吹いています。第2楽章:ロマンスは第3番同様大変きれいな演奏です。バボラークのホルンは誰にも似ていない独特のものですが響きに乱れの無い完璧な演奏です。ロンド楽章は速めのテンポで軽やかな演奏です。聴いていると楽しくなります。コーダ前のカデンツァはありません。
 この全集はなんといっても小澤征爾のモーツァルトでしょう。緻密なオーケストラと完璧なバボラークの作り出すモーツァルトの素晴らしさは絶品です。


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