ヘルマン・バウマン

モーツァルト/ホルン協奏曲全集(1984)
CD(PHILIPS PHCP−10597)

モーツァルト/ホルン協奏曲全集
1.ホルン協奏曲第3番変ホ長調K447
2.ホルン協奏曲第2番変ホ長調K417
3.ホルン協奏曲第1番ニ長調K412&514
    (K514:カール・マルゲール校訂)
4.ホルン協奏曲第4番変ホ長調K495
5.L・モーツァルト/2つのホルンの為の協奏曲

  ヘルマン・バウマン(ホルン)(1〜5)
  ラドヴァン・ヴラトコヴィチ(ホルン)(1
    ピンカス・ズーカーマン指揮
     セント・ポール室内管弦楽団
  アイオナ・ブラウン指揮
      アカデミー室内管弦楽団(5)
   録音 1984年10月18〜22日(1〜4)
       1986年1月3日〜5日(5)

  これはバウマン3回目の全集録音でした。サポートがズーカーマンでアメリカでの録音です。バウマンはこの時も4曲だけでロンドやフラグメントは録音しませんでした。しかしながら、ホルン協奏曲第1番の第2楽章はジェスマイアー版ではなくモーツァルトの自筆譜からカール・マルゲールが校訂した楽譜を使っています。カデンツァでは重音奏法だけでなくロンドK371のフレーズを使ったり面白いです。
  またホルン協奏曲第3番とホルン協奏曲第4番のカデンツァは新しく作ったもので、古い録音と同じカデンツァは吹いていませんでした。この辺がこだわりでしょうか。新しく録音するにあたってはカデンツァを書き直すのは当然のことかもしれません。
  アナログ録音と比べると響きの違いがあるように思いますが、1984年50歳の記念録音としてバウマンの円熟期の演奏は見事なものです。 
 父レオポルド・モーツァルトの2つのホルンの為の協奏曲変ホ長調はヴラトコヴィチとの共演です。バウマンは70年代にもこの曲を録音していますが、この録音の素晴らしい響きは他を圧倒するでしょう。この録音で面白いのが第3楽章で最初に出てくるソロで自然倍音だけで演奏しています。ストップ音が鮮やかです。オーケストラの響きも素晴らしい。


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