ヘルマン・バウマン

シュターミッツ、M・ハイドン、タイバー/ホルン協奏曲集
LP(テレフンケン SLA 6420)

18世紀のホルン協奏曲集
1.カール・シュターミッツ/ホルン協奏曲ホ長調
2.ミヒャエル・ハイドン/ホルン協奏曲ニ長調
3.アントン・タイバー/ホルン協奏曲変ホ長調

  ヘルマン・バウマン(ホルン)
  ヨアフ・タルミ指揮
   フィルハーモニア・フンガリカ
   録音 1978年6月22、23&27日

 このレコードは1980年3月新譜で購入しています。発売は遅いですが、モーツァルトの全集の1週間後に録音していましたので、彼が温めていた作品を集中して録音したようです。
 シュターミッツのホルン協奏曲はロゼッティのホ長調(kaul V:42)を変ホ長調に編曲して出版したものでしたが、バウマンはホ長調で演奏していますので、表記をカール・シュターミッツとするのはどうかと思います。しかしこの曲はジョヴァンニ・プント(シュティヒ)の作品が原曲ともいわれていますのでなんともいえません。その変ホ長調の楽譜で録音していたのがズデニェク・ティルシャルでした。
  ミヒャエル・ハイドンのホルン協奏曲はヨアフ・タルミとの共演です。第1楽章はラルゲットで伸びやかな主題をホルンが歌います。バウマンのホルンは実によい響きです。ホルンの美しい響きというものはこれだと思います。カデンツァは流麗で力みのない素晴らしい演奏です。第2楽章はアレグロ・ノン・トロッポ、速めのテンポの楽章です。狩のホルンのように軽快な主題が歌われます。ここでは時に力強い演奏があります。カデンツァはこれも見事な演奏です。第3楽章はメヌエットです。長い序奏のあとにホルンのソロが入ります。大変素晴らしい演奏です。
 アントン・タイバー(1754〜1822)はウィーン生まれでモーツァルトと同じ世代でベートーヴェンやシューベルトと同じ時代に生きた作曲家でした。オペラや教会音楽なども作曲していたそうですが歴史に埋もれた作曲家でした。ホルン協奏曲はバウマンでなくても演奏したくなる曲です。ただ当時のホルンではあまりに困難な部分があり、そのために埋もれてしまったのかも知れません。CD化して欲しい録音です。


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