ヘルマン・バウマン

モーツァルト/ホルン協奏曲全集(1978)
LP(テレフンケン SLA 1208)

モーツァルト/ホルン協奏曲全集
1.ホルン協奏曲第1番ニ長調K412&514
2.ホルン協奏曲第4番変ホ長調K495
3.ホルン協奏曲第2番変ホ長調K417
4.ホルン協奏曲第3番変ホ長調K447

  ヘルマン・バウマン(ホルン)
  レオポルド・ハーガー指揮
   ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団
    録音 1978年6月14〜16日

 このレコードは1979年6月の新譜で購入していました。73年にナチュラルホルンで録音していましたが、こんどはバルブ・ホルンで自在な演奏を披露しています。なお曲順は表記の通りで73年とは異なります。バウマンは1984年にもモーツァルトを録音していますが、そちらは3、2、1、4番の順になっています。
 モーツァルトのホルン協奏曲第1番は深い響きのホルンでバウマン独特の奏法が個性的な音色になっています。第2楽章も滑らかで素晴らしい演奏です。最後にアドリブが入っています。
 ホルン協奏曲第4番はやわらかなで透明感のある響きのホルンが美しいものです。滑らかなレガートの素晴らしい演奏です。ホールの響きの良さは抜群です。カデンツァはブレインのカデンツァと冒頭は同じですがバウマンの縦横に低音もよく使うカデンツァはさすがに素晴らしい演奏です。第2楽章ロマンツァはまさに美しいロマンス、第3楽章のロンドは速めのテンポで快速にすすみます。バウマンらしい演奏です。コーダ前に短いカデンツァが入ります。
 ホルン協奏曲第2番は流麗なホルンで滑らかな演奏が素晴らしい。ハイトーンの美しさ、伸びのある低音と理想的なホルンです。第2楽章の美しいホルンは絶品です。第3楽章のロンドはさわやかに始まって軽快なホルンが響きます。聴いていると楽しくなります。力みのないホルンの美しさがあります。
 ホルン協奏曲第3番はモーツァルトのホルン協奏曲の傑作と言われます。オーケストラとホルンの掛け合いが絶妙です。バウマンのホルンとオーケストラが実によい響きです。カデンツァは長いもので縦横に流麗な演奏です。第2楽章のロマンスは美しい響きのホルンが聴かれます。第3楽章のアレグロは軽快な演奏です。速めのテンポで流麗なホルンが聴かれます。この3番は申し分のない完璧な演奏です。


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