メイソン・ジョ−ンズ

ヒンデミット/小室内音楽/イベール/3つの小品、他(1953)

CD(Sony Classical 19658813262)12枚組

フィラデルフィア木管五重奏団/室内楽作品コレクション
CD3
1.ヒンデミット/小室内音楽Op.24-2
2.イベール/3つの小品
3.ボザ/管楽五重奏のためのスケルツォOp.48
4.ハイドン/ディヴェルティメント第1番
                   変ロ長調Hob.II:46
5.ベートーヴェン/管楽六重奏曲変ホ長調Op.71

 フィラデルフィア木管五重奏団
 ウィリアム・キンケイド(フルート)
 ジョン・デ・ランシー(オーボエ)
 アンソニー・ジリオッティ(クラリネット)
 メイソン・ジョーンズ(ホルン)
 ソル・シェーンバッハ(ファゴット)
 録音 1953年6月2日(1〜3)
     1953年6月1日(4&5)

 フィラデルフィア木管五重奏団の室内楽作品コレクションのCD3になります。
 パウル・ヒンデミット(1895〜1963)の「5つの管楽器のための小室内音楽」は1922年の作品。5つの楽章で構成されています。第1楽章は木管とホルンの良い響きに始まります。楽しそうです。第2楽章ではホルンとファゴットが作り出す和音と、それぞれがソロを歌うなど聴きごたえがあります。フルートやオーボエもきれいです。第3楽章「穏やかに」は冒頭から良い響きです。ヒンデミット初期の作品には美しさが感じられます。第4楽章では速いフレーズと優雅なソロが交互に演奏されるのが素晴らしいです。ホルンもきれいです。第5楽章は速いテンポで良いアンサンブルが聴かれます。
 ジャック・イベール(1890〜1962)の「3つの小品」は1930年の作品。木管五重奏の名作です。第1曲「アレグロ」はフルートやオーボエが賑やかに楽しそうに歌います。ホルンも良い響きです。きれいな演奏です。第2曲「アンダンテ」はフルート、クラリネットが穏やかに歌い始めます。きれいな響きです。第3曲「アッセ・レント/アレグロ・スケルツァンド」となっています。ホルンがきれいな響きです。クラリネットやフルートが楽しそうに歌います。ファゴットも良い響きです。素晴らしい演奏です。
 ウジェーヌ・ボザの管楽器のためのスケルツォは短い作品ですが、動きの細かい木管の演奏は素晴らしいです。
 ハイドンの木管五重奏のためのディヴェルティメント変ロ長調は木管五重奏の古典ともいえる作品です。4つの楽章で構成されています。第1楽章は見事な演奏です。第2楽章の「聖アントニーのコラール」はブラームスの「ハイドンの主題による変奏曲」の主題に使われていることで有名です。第3楽章のメヌエットは楽しそうな主題を木管とホルンが歌います。第4楽章のロンドは速いテンポで楽しそうに歌います。
 ベートーヴェンの「管楽器のための六重奏曲変ホ長調」は作品番号は71でも作曲は1796年26歳の時で初期の作品です。これを五重奏に編曲して演奏しています。第1楽章「アダージョ〜アレグロ」はその素晴らしい響きと演奏のうまさに耳をうばわれてしまいそうです。ジョーンズのホルンがきれいに響きます。フルートやクラリネットも良い響きです。これはベートーヴェンの作品の魅力を感じます。第2楽章「アダージョ」は冒頭からファゴットが歌うという独特の響きが魅力です。ホルンもきれいです。フルートも良い響きです。第3楽章「メヌエット」は楽しいメヌエットです。ホルンとファゴットが気持ちよさそうに歌っています。フルート、オーボエやクラリネットも良いアンサンブルになっています。第4楽章「ロンド、アレグロ」はホルン、クラリネット、ファゴットが細やかなフレーズを楽しそうに演奏しています。フルートもきれいです。これは素晴らしいアンサンブルです。名演です。


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