アレック・フランク=ゲミル

ライヒャ/木管五重奏曲/ヤナーチェク/「青春」他

CD(CHANDOS CHSA5348)

ボヘミアのこだま
1.パーヴェル・ハース/木管五重奏曲 Op.10
2.アントン・ライヒャ/木管五重奏曲 Op.88-2
3.ヤナーチェク/木管楽器のための組曲「青春」
4.マルティヌー/六重奏曲 H174

 オルシノ・アンサンブル
 アダム・ウォーカー(フルート)(1〜4)
 ニコラス・ダニエル(オーボエ)(1〜4)
 マシュー・ハント(クラリネット)(1〜4)
 エイミー・ハーマン(バスーン)(1〜4)
 アレック・フランク=ゲミル(ホルン)(1〜3)
 ピーター・スパークス(バス・クラリネット)(3)
 リノス・オーウェン(バスーン)(4)
 ジェームズ・ベイリュー(ピアノ)(4)
 録音 2022年10月17日〜19日
 聖マイケル教会(ハイゲート、イギリス)

 イギリスのオルシノ・アンサンブルのよるボヘミアの室内楽作品です。
 パーヴェル・ハース(1899〜1944)の木管五重奏曲は彼の初期の作品です。4つの楽章で構成され、ロマン的な作品です。第1楽章ではホルンのソロがあり、フルートとホルンのユニゾーンがあるなど独特の作風です。ホルンは良い響きです。第2楽章はフルートに始まります。オーボエもきれいです。ホルンのソロも聴かれます。第3楽章ではバスーンが良い響きです。またフルートがピッコロに持ち替えています。ここでもホルンの活躍があります。第4楽章もホルンのソロがきれいです。木管も良い響きです。フランク=ゲミルのホルンが素晴らしいです。
 アントン・ライヒャ(1770-1836)の「木管五重奏曲変ホ長調」は1811年の作品。4つの楽章で構成されています。第1楽章は序奏のレントからアレグロ・モデラートになります。バスーンの低音が印象的です。この楽章ではフルートやクラリネットの明るい音色がよく響きます。ホルンもきれいな演奏です。第2楽章のメヌエットはアレグロ、木管のユニゾーンがきれいです。ライヒャ独特の響きの良さがあります。ホルンも入って良い響きです。第3楽章はポコ・アンダンテ・グラツィオーソ、オーボエの主題がきれいです。クラリネットやホルンが応答します。フルートのが入ると明るい響きになります。ホルンのソロもきれいです。第4楽章のアレグレットはホルンと木管が明るい行進曲を演奏しているかのように聞こえてきます。楽しそうな作品です。ホルンやバスーンもきれいな演奏です。
 ヤナーチェクの木管六重奏のための組曲「青春」は木管五重奏にバス・クラリネットが加わった六重奏です。4つの楽章で構成されています。第1楽章の「アレグロ」は木管楽器が元気に行進するような勢いです。ホルンが応援しているかのようです。ホルンのソロもきれいに入ります。第2楽章の「アンダンテ・ソステヌート」は哀し気な足取りで歩くような音楽です。バスーンやホルンもきれいです。「青春」にはいろいろな道があります。第3楽章の「ヴィヴァーチェ」は元気そのものです。オーボエやフルートの元気な姿をホルンやバスーンが追いかけます。楽しそうです。フィナーレの「アレグロ・アニマート」はフルートとクラリネットが主題を提示すると他の管楽器がにぎやかに応答します。ホルンもきれいです。この「青春時代」を思わせる音楽は楽しいです。演奏も楽しそうです。
 マルティヌーの「六重奏曲」は木管とピアノのための作品です。フルート、オーボエ、クラリネットと2つのバスーンとピアノのための作品です。ホルンは入りません。5つの楽章で構成されています。第1楽章は木管のきれいな響きとピアノのきれいな響きが印象的です。第2楽章はアダージョでクラリネットに始まり、ピアノが良い響きです。そして木管のきれいな響きが続きます。第3楽章はスケルツォ、フルートに始まり、ピアノがきれいに響きます。ここはフルートのソナタのようです。第4楽章はバスーンが響くと木管とピアノがきれいに響きます。ここでもフルートがきれいに歌います。ピアノも見事な演奏です。第5楽章は木管五重奏の良い響きに始まります。ピアノも良い響きです。木管の華麗な響きとピアノの響きが素晴らしいです。良い演奏です。


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