ラデク・バボラーク

ヤクプ・ヤン・リバ/ホルン協奏曲変ホ長調(2020)

CD(NIBIRU 01692231)

ヤクプ・ヤン・リバ/協奏曲集
1.チェロ協奏曲ハ長調N542
2.ホルン協奏曲変ホ長調N541
3.カッサティア ハ長調N540

 エドゥアルド・システク(チェロ))(1)
 ラデク・バボラーク(ホルン)(2)
 ズデニェク・クローダ指揮
  ラルモニア・テレナ
  録音 2020年6月8〜10日
  チェコ/ドモビナ・スタジオ

 ヤクプ・ヤン・リバ(1765〜1815)はボヘミアの作曲家で、宗教曲を多く書いたそうです。
 チェロ協奏曲ハ長調は1800年頃の作品。3つの楽章で構成されています。第1楽章は序奏とアレグロ・マエストーソ、ハイドンのチェロ協奏曲を思わせるような協奏曲です。作風は異なりますが、古典派のチェロ協奏曲としてはよくできた作品です。カデンツァが入って終わります。第2楽章のアダージョは穏やかで美しい響きが聴かれます。管楽器も時々良い響きが流れます。チェロ協奏曲としても美しい作品です。最後にカデンツァが入ります。第3楽章のロンドはアレグレットです。快適なテンポで楽しそうに演奏しています。最後にカデンツァが入ります。システクのチェロは見事な演奏です。38分という大曲です。
 ホルン協奏曲変ホ長調も1800年頃の作品と思われます。2つの楽章で構成されています。第1楽章のアダージョ・モルトは穏やかに始まります。バボラークのホルン・ソロは明るく滑らかな演奏です。優しい響きが聴かれます。この協奏曲は古典派の協奏曲ですから、本来はナチュラルホルンで演奏したものですが、モダンホルンの響きの美しさは良いものです。カデンツァはバボラークのものです。実にきれいな演奏です。第2楽章のロンドはアレグレット。バボラークの軽快なホルンが響きます。大変美しい作品です。カデンツァも見事な演奏です。この作品は名作です。これからもっと多くの録音を欲しいと思います。他にはスハーネクが録音していました。
 カッサティア ハ長調はカッサシオンです。6つの楽章で構成されています。アダージョ・マエストーソ/スケルツォ、アレグレット/メヌエット/ポロネーズ/アダージョ/フィナーレ、アレグロの順で演奏されます。トランペットや打楽器が入るので賑やかな組曲です。スケルツォではホルンも聞かれます。メヌエットではチェロのソロがあります。ポロネーズは楽しそうに聞こえます。アダージョではホルンの和音が聞かれます。フィナーレも良い演奏です。
 このアルバムはチェコの古典音楽として貴重なものです。絶賛したいと思います。


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