アレック・フランク=ゲミル
ブラームス/ホルン三重奏曲変ホ長調、他(2019) |
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CD(BIS BIS-2478)
ブラームス/室内楽作品集
1.スケルツォ ハ短調(F-A-Eソナタより)
〜ホルン版(スミス編)
2.チェロ・ソナタ第1番ホ短調Op38
〜ホルン版(グリムウッド編)
3.ホルン三重奏曲変ホ長調Op40
アレック・フランク=ゲミル(トリプルホルン)(1&2)
〃 (ピストンホルン)(3)
ダニエル・グリムウッド(ピアノ)(1〜3)
ベンジャミン・マルキス・グリモア(ヴァイオリン)(3)
録音 2019年5月&6月
アレック・フランク=ゲミルがモダン・ホルンと19世紀ナチュラルホルンを改造したピストンホルンを吹き分けたブラームスのアルバムです。
F-A-Eソナタはシューマン、ディートリヒとブラームスが4つの楽章を書いたヴァイオリン・ソナタでした。ブラームスはその中の第3楽章:スケルツォを作曲しました。この作品をスミスがホルンのために編曲しました。ハイトーンがありますので、フランク=ゲミルはパックスマンのトリプルホルンを使って演奏しています。大変素晴らしい演奏です。滑らかに勢いよくホルンを吹いています。
チェロ・ソナタ第1番をホルンのために編曲したのはピアニストのグリムウッドです。第1楽章冒頭の低音域はホルンだからこそ吹けるものですが、チェロとホルンは音域が近いですから違和感なく聴けます。長大なこの楽章を見事に吹き上げています。第2楽章のアレグレット・クワジ・メヌエットはチェロで聴きなれたフレーズもホルンで聴いても自然に聞こえてきます。ここは楽しそうです。第3楽章のアレグロなどおなじみのチェロが出てきそうなところにホルンが軽やかに響くのは楽しいです。フランク=ゲミルの演奏は素晴らしく、もはやホルン・ソナタといってもよいでしょう。
ホルン三重奏曲は第1楽章のアンダンテはフランク=ゲミルのホルンが明るい響きで歌います。実に滑らかな演奏です。ヴァイオリンも素晴らしい響きでピアノもよい響きを出しています。中間部もバランスの良い響きで、良い音楽の流れになっています。第2楽章のスケルツォはホルンが流暢に快活な演奏をしています。ピアノも輝きをみせておりヴァイオリンとホルンが良い響きを出しています。トリオの演奏はヴァイオリンとホルンの和音がきれいです。ラウーのピストンホルンですが、これは素晴らしい演奏です。第3楽章のアダージョ・メストは哀愁的な主題が歌われます。ホルンとヴァイオリンの響きが大変きれいです。フランク=ゲミルの流麗なホルンが美しいです。第4楽章のアレグロ・コン・ブリオはホルンの滑らかな演奏が素晴らしい。ヴァイオリンとピアノもバランスの良い響きで楽しい演奏になっています。後半もよい響きで、ピストンホルンとはいえ、ナチュラルホルンよりも明るい音色で素晴らしい演奏です。
このアルバムはブラームスの作品を取り上げた素晴らしい演奏です。フランク=ゲミルはますますホルンの腕をあげていました。 |
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