デニス・ブレイン

アダージョとアレグロ／ベトーヴェン／ホルン・ソナタ／ヴィラネル

ＣＤ（テスタメント　ＳＢＴ１０２２）

１．シューマン／アダージョとアレグロＯｐ７０
２．　　〃　　　／幻想小曲集Ｏｐ７３
３．　　〃　　　／３つのロマンスＯｐ９４
４．ベートーヴェン／ピアノ三重奏曲「街の歌」Ｏｐ11
５．　　　〃　　　　／ホルン・ソナタＯｐ１７
６．デュカス／ヴィラネル
　　デニス・ブレイン（ホルン）（１、５＆６）
　　レジナルド・ケル（クラリネット）（２＆４）
　　レオン・グーセンス（オーボエ）（３）
　　アントニー・ピニ（チェロ）（４）　
　　ジェラルド・ムーア（ピアノ）（１～３＆６）
　　デニス・マシューズ（ピアノ）（４＆５）
　　　録音　１９５２年４月２２日（１）
　　　　　　　１９４０年３月２９日（２）
　　　　　　　１９３９年５月２３日（３）
　　　　　　　１９４４年７月２日（４）
　　　　　　　１９４４年４月３日（５）
　　　　　　　１９５２年４月１９日（６）

　これはテスタメントの復刻ＣＤです。優れた技術で最良の復刻ができました。ブレインのホルンを安心して聞けます。
　シューマンの「アダージョとアレグロ」はこの作品の代表的な録音で、このアダージョとアレグロといえばまずブレインの録音が第一に思い出されます。低音から高音までよどみなく完璧な演奏をきかせてくれます。アレグロの鮮やかな演奏は何度聞いても素晴らしい。
　レジナルド・ケルのシューマン／幻想小曲集はアメリカに渡る前の録音で歌うクラリネットによる小品集はまた見事な演奏です。
　レオン・グーセンスのオーボエによる３つのロマンスは味のある音色でビヴラートのきれいな演奏です。
　ベートーヴェンのピアノ・トリオ「街の歌」はクラリネット、チェロとピアノのための作品で、ベートーヴェンのクラリネット三重奏曲とも呼ばれます。ケルがクラリネットを吹いています。この演奏はベートーヴェンの重い響きとケルのきれいなクラリネットの表現が聞きものです。
　ベートーヴェンの「ホルン・ソナタ」はブレインの映像も残っていますが、この録音は１９４４年にＳＰ録音されたものです。ラウーのピストン・ホルンで演奏しています。いまだにブレインの代表録音のひとつとして何度も発売されています。その演奏の完璧なことは永遠のお手本です。
　「ヴィラネル」はホルンの作品の定番曲ですが、いまだにこのブレインの演奏は代表的な録音として知られています。前半の甘い音色のホルンは素晴らしく、真似のできないホルンでしょう。コーダの鮮やかなタンギングは凄いです。