ダヴィド・ゲリエ

モーツァルト/ホルン協奏曲第4番変ホ長調K495
CD(Virgin CLASSICS 0946 332627 2 0)

1.モーツァルト/クラリネット協奏曲イ長調K622
2.  〃  /ホルン協奏曲第4番変ホ長調K49
3.  〃  /オーボエ協奏曲ハ長調K271k
4.L・モーツァルト/トランペット協奏曲二長調

   ポール・メイエ(クラリネット)(1)
   ダヴィド・ゲリエ(ホルン)(2)
        〃   (トランペット)(4)
   フランソワ・ルルー(オーボエ)(3)
   ジョン・ネルソン指揮
    パリ室内管弦楽団
   録音 2005年3月11〜17日

  フランスの演奏家によるモーツァルト父子の協奏曲です。ポール・メイエはフランスのクラリネット奏者で指揮活動もしている名手で現代の演奏家のトップといわれます。モーツァルトのクラリネット協奏曲を颯爽と吹く様子はかつての巨匠たちとも違う音楽性を感じます。モーツァルトは古典になるでしょうか。しかしながらやはりこの作品の高尚な響きは変わりません。
  ホルン協奏曲第4番を吹くダヴィド・ゲリエはフランス国立管弦楽団の首席ですが、20世紀フランスのホルンのような明るさはありません。個性を感じないホルンですが、その演奏はドイツの演奏家のホルンのように正確で完璧です。カデンツァはまさに現代的でモーツァルトの主題を取り入れながらも豪快なものです。第2楽章の丁寧な演奏、第3楽章:ロンドの快活な演奏は見事です。レガート、トリル、スラーのうまさは抜群です。
  オーボエ協奏曲ハ長調K271kはフルート協奏曲二長調K314の原曲です。オーボエ協奏曲ハ長調K314(285d)と同一のようで紛らわしいのですが、このオーボエ協奏曲は1920年に発見されたそうで、フルート協奏曲第2番とそっくりで原曲とわかったようです。フランソワ・ルルーはピエール・ピエルロやモーリス・ブルグに師事した名手でミュンヘン国際で優勝した経歴をもちます。夫人はリサ・バティアシュヴィリ(ヴァイオリニスト)で共演もあります。オーボエ協奏曲の演奏は師譲りの明るい音色が大変きれいです。全曲通してきくとその素晴らしい演奏には感服です。
  最後のレオポルド・モーツァルトのトランペット協奏曲はダヴィド・ゲリエがトランペットを吹いていますが、もともと彼はトランペット奏者でミュンヘン国際で優勝の経歴を持っていました。2001年にホルンに転向してミシェル・ガルサン=マルーに師事しました。またウィーン・フィルのトムベックにウィンナホルンの教えを受けてホルンをマスターしてしまうのですが、その彼がトランペットに持ち替えてトランペット協奏曲を吹くのも不思議ではないでしょう。トランペット奏者としての完璧な演奏を聞かせてくれます。


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