アントニー・ハルステッド

ベートーヴェン/ホルン・ソナタ、五重奏曲、他
CD(LONDON POCL-1865)

 1.モーツァルト/ピアノと管楽の為の五重奏曲
                 変ホ長調K452
 2.ベートーヴェン/ホルン・ソナタ ヘ長調Op17
 3.   〃   /ピアノと管楽の為の五重奏曲
                 変ホ長調Op16

  ロバート・レヴィン(フォルテピアノ)(1〜3)
  エンシェント室内管弦楽団アンサンブル
  アントニー・ハルステッド(ナチュラルホルン)(1〜3)
   フランク・デ・ブルーイン(オーボエ)(1&3)
   アントニー・ペイ(クラリネット)(1&3)
   ダニー・ボンド(ファゴット)(1&3)
    録音 1996年5月(1&3)
        1996年9月(2)

  モーツァルト研究者のロバート・レヴィンがフォルテピアノを弾いた室内楽作品です。18世紀の作品をオリジナル楽器で聞くのは楽しいです。
  モーツァルトとベートーヴェンの五重奏曲は同じ楽器の組み合わせで録音も多いですが、オリジナル楽器による演奏は少ないです。この演奏はお手本のようです。現代の楽器による演奏とはまた異なる響きになりますので、聞いていて飽きません。フォルテピアノの響きは弾けるような音で、ホルンは倍音だけの無弁ホルンですからストップ音の音色や倍音の太い響きが興味深いです。
  ベートーヴェンのホルン・ソナタはハルステッドがモーツァルトのホルン協奏曲全集をナチュラルホルンで2度録音した後の録音でした。第1楽章冒頭の主題でスタッカートを忠実に短く切って演奏しています。ここが実に印象的です。また第3楽章ではアドリブを入れたりコーダに短いカデンツァを挿入するなど大変素晴らしい演奏です。数多くのこの作品の中でもダントツ名演奏といってよいでしょう。レガート、スラーのうまさなどモダンホルンでも楽ではないだけに楽譜の指示記号を忠実に守ればこのような演奏になるというお手本にもなるでしょう。


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