セレン・ヘルマンソン

ラーべ/自然、群れ、親戚たち〜ホルンと弦楽のための
CD(PHONO SUECIA PSCD67)

フォルケ・ラーべ/作品集
1.チントマラ(1992)
  〜トランペットとトロンボーンのための
   ホーカン・ハーデンベルガー(トランペット)
    クリスチャン・リンドベリ(トロンボーン)
2.2つのストロファー(1980)〜混声合唱のための
   マッツ・ニルソン指揮
     スウェーデン放送合唱団
3.自然、群れ、親戚たち(1991)
  〜ホルンと弦楽のための
   セレン・ヘルマンソン(ホルン)
    ヨーラン・W・ニルソン指揮
     ヘルシンボリ交響楽団
4.ロンド(1964)〜男声合唱のための
   ロバート・サンド指揮
     オルフェイ・ドレンガー
5.夜想曲(1959)〜メゾ・ソプラノ、フルート、
     オーボエとクラリネットのための
   マリア・ホグリンド(メゾ・ソプラノ)
    ペーター・リズトレム(フルート)
    ベンクト・ローゼングレン(オーボエ)
    マッツ・ワーリン(クラリネット)
    ヤン・リスベリ指揮
6.愛へ(1984)〜混声合唱のための
   マッツ・ニルソン指揮
     スウェーデン放送合唱団
7.小品(1961)〜混声合唱のための
   カール=エーリク・アンデション指揮
     ベル・カント合唱団
8.サイクロン(1984/85)〜電子楽器のための
   ラーべ/電子音楽スタジオ
9.バスタ(1982)〜トロンボーンのための
   クリスチャン・リンドベリ(トロンボーン)
   録音 1994年2月11日(1&9)
         1994年9月7日(2)
        1992年11月14日(3)
        1994年3月17日(4)
        1994年6月3日(5)
        1994年9月8&9日(6)
        1968年(7)
        1984〜85年(8)
  
  フォルケ・ラーべ(1935〜)はスウェーデンの作曲家でトロンボーン奏者です。この作品集はトロンボーン作品やホルン作品のほかは声楽作品が多いです。また電子音楽のラーベとしての作品も収録されています。
  1曲目の「チントマラ」は1992年の作品でトランペットとトロンボーンのために書かれています。トランペットの名手ハーデンベルガーとトロンボーンの名手リンドベリによって1993年に初演されています。ファンファーレのような小品ですが細かいタンギングが賑やかに響きます。
  2曲目の「2つのストロファー」は1980年に混声合唱のために作曲されました。ベルゲンの合唱団の委嘱作品で起伏のある作品。
  3曲目の「自然、群れ、親戚たち」は1991年に作曲されたホルン協奏曲です。弦楽伴奏の作品で前半はネイチャーを大切にの穏やかなメロディが流れます。「群れ」の部分では狼の遠吠えのようなフレーズが流れます。中間部に入るカデンツァは大変技巧的で開放とゲシュトップが交互に演奏されます。長いカデンツァでヘルマンソンの巧みなホルンが流れます。この遠近法的な演奏は見事です。「親戚たち」は弦楽に始まりその弦楽の表現力の素晴らしさに聞きほれます。
  4曲目は男声合唱のための「ロンド」です。4分弱の小品で起伏のある作品です。弱奏と強奏の差が大きいです。よく聞くと歌詞なのかうなり声かわからないところがあります。現代作品らしいです。
  5曲目の「夜想曲(ノットゥルノ)」は1959年の作品で、メゾ・ソプラノと3本の木管楽器のためにかかれています。フルート、オーボエのきらびやかな響きとやわらかなクラリネットが作り出す響きとメゾソプラノの中音域がマッチして良い響きです。
  6曲目の「to love(愛へ)」は無伴奏混声合唱の「ための作品で7つの小品からなる組曲です。1984年の作品。
  7曲目の無伴奏混声合唱のための小品は語りかけるような賑やかな作品です。8曲目の「サイクロン」は1984〜85年に作られた電子音楽です。ストックホルムの電子音楽スタジオで制作されています。音楽というよりはノイズといった感があります。
  9曲目の「バスタ」は1982年の作品。トロンボーン奏者のラーベが独奏トロンボーンのために書いたものです。リンドベリという巨匠がいるためにここまで技巧的な作品を書けたのではないでしょうか。この作品はトロンボーン奏者のレパートリーになっているようです。


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