マイロン・ブルーム

ブラームス/ホルン三重奏曲変ホ長調
CD(SONY SRCR 8834)

ブラームス/室内楽集
1.弦楽六重奏曲第2番ト長調Op36
2.ホルン三重奏曲変ホ長調Op40

  ピーナ・カルミレッリ(ヴァイオリン)(1)
  ジョン・トース(ヴァイオリン)(1)
  フィリップ・ネーゲル(ヴィオラ)(1)
  キャロライン・レヴァイン(ヴィオラ)(1)
  フォルトゥナート・アリコ(チェロ)(1)
  ドロシー・ライヒェンベルガー(チェロ)(1)
  マイロン・ブルーム(ホルン)(2)
  マイケル・トゥリー(ヴァイオリン)(2)
  ルドルフ・ゼルキン(ピアノ)(2)
  録音 1967年11月13&14日(1)
      1960年6月22〜24日(2)

 これはマールボロ音楽祭40周年記念のCDです。弦楽六重奏曲だけニューヨークで録音されています。
 弦楽六重奏曲第2番はカルミレッリを中心とした弦楽六重奏です。第1楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「スケルツォ;アレグロ・ノン・トロッポ」第3楽章「ポコ・アダージョ」、第4楽章「ポコ・アレグロ」になります。弦楽の美しさが響くブラームスの作品の素晴らしさがわかるようです。第3楽章の「ポコ・アダージョ」はチェロの深い響きが素晴らしい演奏です。第4楽章も緻密な演奏でピツィカートがきれいです。
 ホルン三重奏曲変ホ長調はマイロン・ブルームのホルンとゼルキンのピアノに注目です。第1楽章のホルンは冒頭から優しい響きで滑らかな演奏です。中間部ではゼルキンのピアノがよく響きます。ヴァイオリンとのからみも素晴らしいです。第2楽章のスケルツォはピアノも力が入って、ヴァイオリンとホルンが元気に歌います。ブルームのホルンが大きく響きます。トリオのヴァイオリンとホルンの絡みが良い響きです。後半ピアノが素晴らしい響きです。第3楽章のアダージョ・メストはやや速めのテンポで演奏しています。哀愁的な主題が歌われます。ホルンとヴァイオリンの響きがきれいです。中間部のクライマックスは素晴らしい響きになっています。第4楽章「アレグロ・コン・ブリオ」は速いテンポでヴァイオリンとピアノが力強い響きで歌うと、ホルンが元気に演奏します。ブルームらしく音を割って強く吹くところが聴きどころです。時にはやさしく、時には音を割ってホルンを吹くブルームの演奏は素晴らしいです。このホルン・トリオの録音の中でも目立つ特徴的なものといえます。胸のすくような演奏でフィナーレは圧巻です。
(1992年発売の国内盤)


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