メイソン・ジョ−ンズ

シェーンベルク/管楽五重奏曲(1956)

CD(Sony Classical 19658813262)12枚組

フィラデルフィア木管五重奏団/室内楽作品コレクション
CD4
1.シェーンベルク/管楽五重奏曲 Op.26

 フィラデルフィア木管五重奏団
 ウィリアム・キンケイド(フルート)
 ジョン・デ・ランシー(オーボエ)
 アンソニー・ジリオッティ(クラリネット)
 メイソン・ジョーンズ(ホルン)
 ソル・シェーンバッハ(ファゴット)
 録音 1956年5月14&15日&7月27日

 フィラデルフィア木管五重奏団の室内楽作品コレクションのCD4になります。
 シェーンベルクの「管楽五重奏曲」は1923〜24年に書かれた12音技法による作品です。第1楽章「豊かな振幅をもって」は5つの楽器が自由に演奏しているような雰囲気さえ感じます。同じような主題やフレーズもありますがこの作品は合わせるのが難しそうです。まさに現代的な作品です。ホルンは良い響きです。第2楽章「スケルツァンド:優雅に快活に」は木管五重奏の楽しみを感じるものです。無調性という12音音楽は音階も難しいものですが、この楽章はまとまりのあるアンサンブルになります。ホルンがきれいに響きます。時にホルンとファゴットが和音を作る楽しさがあります。フルートのピッコロ持ち替えがあります。第3楽章「ややゆっくりと」はホルンとファゴットがゆったりと歌い始めて、オーボエ、フルート、クラリネットが加わってきます。ホルンにはハイトーンもあります。ファゴットも良い響きです。特徴のない音楽が流れますが中間部に細やかなフレーズを揃って演奏しているところがあります。見事な演奏です。10分以上の長大な楽章です。第4楽章「ロンド」は速めのテンポでにぎやかにフレーズの演奏です。同じようなフレーズの連続ですが、12音音楽の不思議な流れの連続です。ホルンとファゴットも良い響きです。フルートも華やかな響きです。オーボエやクラリネットも良い響きです。こうして聴いてみると4つの楽章で43分という大曲ですが楽しい一面もありますのでシェーンベルクの貴重な作品として覚えておきたいです。これは素晴らしい演奏です。


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