ラデク・バボラーク

パウエル&グリエール/ホルン協奏曲(2021)
CD(ANIMAL MUSIC ANI 102-2)

1.パウエル/ホルン協奏曲(1957)
2.グリエール/ホルン協奏曲変ロ長調Op91

 ラデク・バボラーク(ホルン)
 トマーシュ・ブラウネル指揮
 プラハ交響楽団
 録音 2021年4月14&15日(1)
     2021年4月26&27日(2)
     スメタナホール

 イルジー・パウエル(1919〜2007)のホルン協奏曲は1994年のミュンヘン国際コンクールでバボラークが演奏していましたので、待望の録音です。このホルン協奏曲は3つの楽章で構成されています。演奏が難しく、録音はほとんどありませんが、デジタル録音では世界初録音と思われます。第1楽章:アレグロ・パテティコは冒頭から上昇音階の特徴的な主題が歌われます。そして跳躍的な主題が狩のホルンのように歌われます。バボラークのホルンはさわやかで流麗な演奏です。再現部も見事な演奏です。第2楽章;アンダンテは穏やかな美しい主題が演奏されています。きれいなホルンです。この楽章にはカデンツァが入ります。素晴らしい演奏です。第3楽章:アレグロ・ジョコーソは細かいフレーズに装飾音があって難しいところです。バボラークの演奏は完璧で、大変素晴らしい演奏です。オーケストラも迫力があります。これは絶賛ものです。
 グリエールのホルン協奏曲は難曲で録音はそれほど多くはない名曲です。息継ぎが難しいのですが、バボラークは来日での演奏もあって、得意のようです。第1楽章は序奏のあとのソロから見事なホルンを聴かせてくれます。第2主題の美しい響きも見事なものです。展開部からは勢いのある見事な演奏を聴かせてくれます。カデンツァがは3分30秒の大変長いもので低音と高音を自在に吹きこなしています。また途中でティンパニが入り、重音奏法も使う素晴らしいものです。再現部は流麗な演奏を聴かせてくれます。第2楽章のアンダンテはオーボエの導入部のあとにホルンの哀愁的な主題が歌われます。オーケストラもよい響きです。中間部の迫力ある響きも見事なものです。第3楽章は序奏のあとは速いフレーズが続きます。そして狩りのホルンのようなソロのあとにまた速いフレーズの連続がきます。この作品の一番きついところかもしれません。そこを難なく演奏しています。後半も素晴らしい演奏です。コーダのテンポも速いです。さすがにバボラークのグリエールは素晴らしい名演です。これも絶賛ものです。


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