シュテファン・ドール
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CD(camerata CMCD28125)
ヘルベルト・ヴィリ/室内楽作品集
1.弦楽四重奏曲1986
2.フルート・ソロのための作品(1985/86)
3.ヴァイオリン、ホルンとピアノのための三重奏曲(1992)
4.フルートとピアノのための作品(1987)
5.クラリネット・ソロのための作品(1985)
6.金管五重奏曲(1984)
7.ピアノ作品]T(1987)
8.クロノスのカイロ1756/1956
〜弦楽三重奏のための
ウィーン・アルティス・カルテット(1)
ウォルフガング・シュルツ(フルート)(2&4)
ザシュコ・ガブリロフ(ヴァイオリン)(3)
シュテファン・ドール(ホルン)(3&6)
フェレンツ・ボーグナー(ピアノ)(3、4&7)
ノルベルト・トイブル(クラリネット)(5)
ラインホルト・フリードリヒ(トランペット1)(6)
ガボール・タルコヴィ(トランペット2)(6)
オラフ・オット(トロンボーン1)(6)
ウーヴェ・フュッセル(トロンボーン2)(6)
マルティン・ツァロディック(ヴァイオリン)(8)
エルマー・ランデラー(ヴィオラ)(8)
ローベルト・ノージュ(チェロ)(8)
録音 2005年4月17日(1)
2004年10月7日(2)
2006年2月26日(3&4)
2006年2月27日(5)
2005年12月20日(6)
2005年2月5日(7)
2006年6月24日(8)
ヘルベルト・ヴィリはオーストリアの現代作曲家、1989年のアヴァンギャルド音楽祭「ウィーン・モデルン」で作品が注目され、以来知られるようになりました。
「弦楽四重奏曲1986」は1986年の作品、3つの小品で構成されています。弦楽器の表現力を駆使したもので特に主題らしいフレーズはきかれませんが、第2楽章のチェロの重音は印象的です。
フルート・ソロのための作品は初演がウィーン・フィルのフルーリーでしたが、同じウィーン・フィルのシュルツが演奏しています。かなり難しい無伴奏フルート作品です。メシアンが注目したそうで、鳥のさえずりのような奏法があるからでしょう。
ホルン三重奏曲は1992年の作品、どちらかといえばリゲティのホルン三重奏曲のイメージに近い曲風です。8分足らずの作品でピアノとヴァイオリンが自己主張する中に突っ込みを入れるホルンという感じのする作品です。ドールが得意の音楽のようです。
フルートとピアノのための作品は無伴奏フルートの作品の翌年の作曲で、冒頭のフルートの響きは日本の尺八を連想させる奏法で驚きます。シュルツの多彩な表現力は素晴らしいものです。
クラリネット・ソロのための作品は1985年の作品。ブランドホーファーによって初演されています。中低音を使う部分は柔らかい音色を大切にしたこの演奏はクラリネットの魅力を教えてくれます。
金管五重奏曲は1984年の作品、このアルバムの中では最も早い時期に作曲されています。2つのトランペット、ホルンと2つのトロンボーンによる五重奏はチューバを使わないことで低音が物足りませんが、調和のとれた響きがこの組み合わせの面白さでしょう。
ピアノ作品]Tは1987年の作品。自由な作風で独自の世界を作り出しています。フリー・ジャズともいえそうな即興的な音楽になっています。
クロノスのカイロ1756/1956は弦楽三重奏ですが、1756年といのはモーツァルトの生まれた年で弦楽三重奏曲K562eが第2楽章に使われていますので、現代音楽の中にモーツァルトが挿入されてほっとします。1956年はヴィリの生まれた年で丁度200年後になります。 |
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