イルジー・ハヴリーク
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CD(CRYSTON OVCC−00067)
コンポジションズ
1.バルトシュ/エレジーとロンディーノ
2. 〃 /アダージョ・エレジアコ(1973)
3.ボジコヴェッツ/間奏曲
4.ルツキー/ホルンとピアノのためのエレジー
5.ハヴリーク/ホルン協奏曲(1977)
6.ブラジェク/4つのロマンティック・コンポジションズ
イルジー・ハヴリーク(ホルン)
船本 貴美子(ピアノ)
録音 2008年4月1〜3日
富山/北アルプス文化センター
チェコ・フィルのハヴリークがソロ・アルバムを録音しました。ハヴリークはズデニェク・ティルシャルの隣で第2ホルンを吹いていましたのでソリストとしてはほとんど出ませんでしたが、プラハ音楽院では作曲も学びホルン協奏曲を作曲していました。
このアルバムはリサイタル活動を共にした船本貴美子の伴奏で日本で録音されています。このアルバムの特徴はエレジー(哀歌)を集めたところですが、チェコの作曲家だけに限定されていますので、名曲プーランクのエレジーは収録されていません。
バルトシュの2曲は穏やかな作品でホルンの音色を楽しめるでしょう。ボジコヴェッツの間奏曲も短調作品でこちらも美しいホルンの響きを聴くことができます。ルツキーのホルンとピアノのためのエレジーは1960年代の作品です。当時は12音技法が多く作曲された時代でした。この作品にもその無調さが感じられます。ピアノとホルンの対話があります。ピアノは高音から低音まで響きます。ホルンはフラッター・タンギングも使うかなりの難曲です。
ハヴリークのホルン協奏曲は学生時代の作品でホルンと弦楽の作品でピアノ版がここでは録音されています。日本では初めて聴く作品でしょう。第1楽章にはパウエルのホルン協奏曲のメロディーによく似た音型があります。第1楽章:アレグロ・リベロ、第2楽章:モルト・レント・カルモ、第3楽章:ヴィヴォとなっており、第3楽章の明るさはボヘミア伝統のホルンを感じさせます。
ブラジェクの4つのロマンティック・コンポジションズは1960年代作品ですが、その名の通りロマンティックな作品です。全曲20分ほどの大作です。テンポは遅く第3曲、第4曲はレントであり、祖国に思いをはせるような郷愁を感じさせる美しい曲です。とても現代作品とは思えないほどロマンティックな作品です。それだけにハヴリークのホルン協奏曲が大変目立つアルバムです。 |
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