デイヴィッド・ジョリー

メリカント/ヴァイオリン、クラリネット、ホルンと弦楽六重奏の為の協奏曲
CD(ONDINE ODE703-2)

アーレ・メリカント/室内楽&声楽作品集
 1.ヴァイオリン、クラリネット、ホルンと
          弦楽六重奏のための協奏曲
 2.九重奏曲〜ピアノ、フルート、コール・アングレ、
    クラリネット、2つのヴァイオイン、ヴィオラ、
        チェロとコントラバスのための
3.無伴奏男声合唱作品集
  1)今夜は楽しく
  2)愚か者
  3)老レンミンカイネン
  4)ぶらんこ
  5)こだまを慈しみ
  6)真夏
  7)沈黙
  8)生き残った者へ

 ウルフ・セーデルブルム指揮(1&2)
 オレク・カガン(ヴァイオリン)(1)
 エドゥアルト・ブルンナー(クラリネット)(1)
 デイヴィッド・ジョリー(ホルン)(1)
 ナフム・エアリッヒ(ヴァイオリン)(1&2)
 サカリ・オラモ(ヴァイオリン)(1&2)
 マッティ・ヒルヴィカンガス(ヴィオラ)(1&2)
 ウラディミール・メンデルスゾーン(ヴィオラ)(1)
 ライモ・サリオラ(チェロ)(1&2)
 アンシ・カルットゥネン(チェロ)(1)  
 ユハニ・ラーゲルスペッツ(ピアノ)(2)
 イルジ・マルシャーレク(フルート)(2)
 オットー・トゥルンカ(コール・アングレ)(2)
 ペトル・ドニェク(クラリネット)(2)
 フランティシェク・ポシュタ(コントラバス)(2)
 タパニ・レンショー指揮ポリテク合唱団(3)
  リスト・サーマン(テノール)(3-1)
  ユッシ・マデキヴィ(バリトン)(3-8)
  録音 1984年7月23&24日(1&2)
        クフモ室内音楽祭ライヴ
      1987年2月21&22日(3)
         ヘルシンキ/ドイツ教会

  アーレ・メリカント(1893〜1948)はフィンランドの作曲家で、父オスカル・メリカントも有名な作曲家でした。
  1曲目のヴァイオリン、クラリネット、ホルンと弦楽六重奏のための協奏曲は3つのソロ楽器を持つ協奏交響曲の室内楽版ともいえる作品です。生前のオレク・カガンのヴァイオリン、名手ブルンナーのクラリネット、そしてアメリカのデイヴィッド・ジョリーのホルンという素晴らしいソリストを迎えての演奏です。ヴァイオリンのメンバーにサカリ・オラモの名前があります。現在は指揮者として活躍していますが、まだ18歳のときでヴァイオリニストとしての活動をしていました。第1楽章「ラルゴ - アレグロ」はヴァイオリン、クラリネットとホルンのソロが絡みあってきれいな演奏です。ホルンはハイトーンもよく使います。ヴァイオリンやクラリネットとの響きに合います。これはきれいな作品です。第2楽章「ラルゴ - ヴィヴァーチェ - アダージョ」は静かに始まって、やがてホルンの力強い響きが高らかに流れます。クラリネットとヴァイオリンのソロもきれいに響きます。ヴィヴァーチェからはソロと弦楽が賑やかに響きます。ホルンの響きもきれいです。アダージョではクラリネットのきれいな響きが聴かれます。第3楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」はヴァイオリンとホルンが主題を歌いクラリネットが続きます。ここでは3つのソロ楽器が楽しそうに歌います。中間部には弦楽のよい響きが流れます。後半ではトリオの歌がきれいに響きます。よくできた作品です。録音の少ない作品ですが演奏は素晴らしいです。
 2曲目のピアノ、フルート、コール・アングレ、クラリネット、2つのヴァイオイン、ヴィオラ、チェロとコントラバスのための九重奏曲はホルンのかわりにコール・アングレ(イングリッシュ・ホルン)を使った異色の作品です。第1楽章「アダージョ - モルト・アレグロ」は序奏のアダージョから弦楽の良い響き、そして管楽器とピアノが入ると厚い響きになります。またイングリッシュホルンの独特の響きが入ってきれいなものです。主部ではチェロやコントラバスのソロもあります。後半はピアノが華やかで管楽器と共に演奏していますのできれいな響きです。第2楽章「ラルゴ」はフルートに始まりピアノがきれいに響きます。チェロもきれいです。ここでもイングリッシュホルンはきれいに響きます。ピアノの和音がきれいです。第3楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」はピアノのハイトーンから賑やかに始まります。弦楽の賑やかに歌います。木管楽器も入って華やかな楽章です。中間部では圧倒的な厚みのある演奏が聴かれます。後半はピアノ協奏曲のようです。良い作品と演奏です。
  3曲目は無伴奏男声合唱作品です。8つの合唱曲が演奏されます。タパニ・レンショー指揮のポリテク合唱団による演奏です。第1曲「今夜は楽しく」ではリスト・サーマンのテノールが高らかに歌われます。第2曲「愚か者」、第3曲「老レンミンカイネン」、第4曲「ぶらんこ」、第5曲「こだまを慈しみ」、第6曲「真夏」、第7曲「沈黙」と男声合唱がきれいに歌われ、第8曲「生き残った者へ」ではユッシ・マデキヴィのバリトンが合唱と共に大きく歌われています。


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