デニス・ブレイン

R・シュトラウス&ヒンデミット/ホルン協奏曲集(1998東芝)
CD(EMI TOCE-3407)

1.R・シュトラウス/ホルン協奏曲第1番変ホ長調
2.   〃     /ホルン協奏曲第2番変ホ長調
3.ヒンデミット/ホルン協奏曲(1949)

  デニス・ブレイン(ホルン)
  ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮(1&2)
  パウル・ヒンデミット指揮(3)
  フィルハーモニア管弦楽団
  録音 1956年9月22日(1)  
      1956年9月22&23日(2)
      1956年11月19日(3)

  リヒャルト・シュトラウスのホルン協奏曲はブレインの代表的な録音です。ホルン協奏曲第1番はサヴァリッシュのサポートを受けて軽やかなホルンで吹く第1楽章が大変きれいな演奏です。切れ目なく演奏される第2楽章:アンダンテはブレインのホルンの甘い響きの聴きどころです。第3楽章:アレグロも切れ目なく演奏されます。このロンドはリヒャルト・シュトラウスが狩のホルンのように歌わせるもので、木管楽器との絡みの素晴らしさ、フェルマータではホルンのクレッシェンドなど実に見事です。カデンツァからコーダのスピード感は抜群です。
 ホルン協奏曲第2番はホルンのソロで始まります。ブレインはこの難しいソロをさらりと吹いてしまうところが凄いと思います。展開部のソロがまた素晴らしく長いソロを一息で吹いていました。切れ目なく続く第2楽章はホルンの優しい響きが流れます。第3楽章のロンドはシュトラウスのホルン協奏曲でも魅力たっぷりの楽章です。オーケストラとホルンが対等になる素晴らしい演奏が聴かれます。ブレインの代表的な演奏といえます。
 ヒンデミットのホルン協奏曲はデニス・ブレインのために書かれた作品です。演奏はヒンデミット自身の指揮で録音され、しかもステレオ録音でした。この録音がまた素晴らしく、第1楽章からブレインの卓越したうまさが聴かれます。第2楽章は短い楽章で「大変速く」との指示があって舌を巻いてしまうほどの素晴らしい演奏です。そして3楽章のブレインの演奏はその豊かな響きが何もかも忘れさせるほどの魅力があります。(1998年発売の東芝EMI盤)


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