デニス・ブレイン
モーツァルト/ホルン協奏曲全集/ブリテン/セレナード、他 |
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CD(INTENSE 600116)5枚組
デニス・ブレイン/エッセンシャル・コレクション
CD1 モーツァルト/ホルン協奏曲全集
1.ホルン協奏曲第1番ニ長調K412&514
2.ホルン協奏曲第2番変ホ長調K417
3.ホルン協奏曲第3番変ホ長調K447
4.ホルン協奏曲第4番変ホ長調K495
デニス・ブレイン(ホルン)
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
フィルハーモニア管弦楽団
録音 1953年11月12、13&23日
CD2 モーツァルト/室内楽作品集
1.ピアノと木管のための五重奏曲変ホ長調
ワルター・ギーゼキング(ピアノ)
フィルハーモニア管楽四重奏団
録音 1955年4月15&16日
2.ディヴェルティメント第14番ニ長調K270
デニス・ブレイン管楽合奏団
録音 1957年9月5日
3.音楽の冗談ヘ長調K522
デニス・ブレイン(ホルン)
ニール・サンダース(ホルン)
マノウグ・パリキアン(ヴァイオリン)
グイド・カンテルリ指揮
フィルハーモニア管弦楽団
録音 1955年8月18日(ステレオ)
CD3 モーツァルト/ホルン作品集
1.ディヴェルティメント第2番ニ長調K131
デニス・ブレイン(ホルン)
サー・トーマス・ビーチャム指揮
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団員
録音 1947〜48年
2.ホルン五重奏曲変ホ長調K407
デニス・ブレイン(ホルン)
グリラー弦楽四重奏団(3)
録音 1944年10月6&25日
3.ホルン協奏曲第2番変ホ長調K417
デニス・ブレイン(ホルン)
ワルター・ジュスキント指揮
フィルハーモニア管弦楽団
録音 1946年3月27日
CD4
1.ヒンデミット/ホルン協奏曲(1949)
デニス・ブレイン(ホルン)
パウル・ヒンデミット指揮
フィルハーモニア管弦楽団
録音 1956年11月19日(ステレオ)
2.ブリテン/テノール、ホルンと
弦楽のためのセレナードOp31
デニス・ブレイン(ホルン)
ピーター・ピアーズ(テノール)
ユージン・グーセンス指揮
ロンドン新交響楽団(1&2)
録音 1953年11月
3.ベートーヴェン/ホルン・ソナタ へ長調Op17
デニス・ブレイン(ホルン)
デニス・マシューズ(ピアノ)
録音 1944年2月21日
CD5
1.R・シュトラウス/ホルン協奏曲第1番変ホ長調
2. 〃 /ホルン協奏曲第2番変ホ長調
デニス・ブレイン(ホルン)
ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮
フィルハーモニア管弦楽団
録音 1956年9月22日(1)
1956年9月22&23日(2)
ボーナス・トラック
ブラームス/ホルン三重奏曲変ホ長調Op40
オーブリ―・ブレイン(ホルン)
アドルフ・ブッシュ(ヴァイオリン)
ルドルフ・ゼルキン(ピアノ)
録音 1933年
デニス・ブレインの名録音集です。最後のボーナス・トラックにオーブリー・ブレインのブラームスが収録されています。
CD1のモーツァルト/ホルン協奏曲全集はカラヤンが指揮した名演中の名演。デニス・ブレインのモーツァルトは明るく甘いトーンで聴く者をうっとりさせます。このように美しいモーツァルトはありません。ホルンを聴くならやっぱりブレインです。
協奏曲の第1番の冒頭からとてもホルンとは思えないような柔らかな音が響きます。3番と4番のカデンツァの歯切れ良さ、低音から高音までにくいまでの安定した音色と音量、タンギング、レガート、滑らかな演奏には聞きほれてしまいます。2番の演奏は秀逸で、特にロンドのうまさがたまりません。
CD2のモーツァルト作品は、ピアノと木管のための五重奏曲変ホ長調ではギーゼキングとの録音が収録されています。巨匠との共演は記念碑的名演です。ディヴェルティメント第14番ニ長調K270はデニス・ブレイン管楽合奏団による演奏。全4楽章が収録されてます。「音楽の冗談ヘ長調」はこのカンテルリとの録音だけでした。貴重なステレオ録音です。演奏はきれいすぎるほどで、ほとんど遊びのない純音楽的な「音楽の冗談」です。
CD3のモーツァルト/ホルン作品集にはビーチャムとの貴重な録音ディヴェルティメント第2番ニ長調が収録されています。6つの楽章のなかでブレインの活躍するのは第4楽章:メヌエットで2つのホルンが主題を吹いています。ラウーのピストンホルンを吹いています。第6楽章:アダージョでも冒頭から2本のホルンが優雅な響きを出しています。SP録音からの復刻は大変きれいなものです。ホルン五重奏曲変ホ長調は1944年のSP録音でグリラー弦楽四重奏団との共演です。ブレイン唯一のスタジオ録音です。独特のタンギングは随所に聞かれ、ホルンはラウーのF管ホルンのためFシングルのやや不安定な音が時々聞こえます。しかしながら見事なモーツァルトです。ホルン協奏曲第2番変ホ長調はジュスキントの指揮で1946年に録音したものでピストンホルン独特の音ですがブレインの音色は変わりません。初めて録音した2番の協奏曲ですが魅力的な音が聴かれます。
CD4にはヒンデミットとブリテンが収録されています。史上初めてのカップリングでブリテンがセットものに入るのも初めてでしょう。ヒンデミットのホルン協奏曲はブレインのために書かれた名曲で、ブレインの卓越したうまさが全曲を通して響きます。特に3楽章の雰囲気は何もかも忘れさせるほどの魅力があります。ブリテンの「テノール、ホルンと弦楽のためのセレナード」はブレインとテノールのピアーズのために書かれた永遠の名曲。ノクターン、エレジー、賛歌など超絶技巧のホルンが聞かれます。円熟期のピアーズの歌唱の魅力はなんといっても素晴らしいものです。ベートーヴェンの「ホルン・ソナタ」は1944年のSP録音ですが未だにこの作品の代表的な録音として再発売されています。何度聞いても新鮮に聞こえます。
CD5はブレインの代表的な録音R・シュトラウスのホルン協奏曲第1番と第2番が収録されています。サヴァリッシュが指揮したこの演奏は古いモノラル録音ですがこの作品の永遠のお手本として人気は衰えません。ブレインのあまい音色と巧みなテクニックは時代を感じさせない魅力があります。
最後にボーナスとして父オーブリー・ブレインのブラームス/ホルン三重奏曲が収録されています。1933年の録音ですがデニス同様ラウーのピストンホルンを愛用していたオーブリーのホルンを聴くとデニスそっくりでどちらが吹いているのかわからないほどです。LP時代に名盤といわれていたことに納得です。オーブリーの芸術が堪能できます。ブッシュとゼルキンとの共演というのもまた凄いと思います。 |
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