ウィリアム・キャヴァレロ

R・シュトラウス/ホルン協奏曲第1番変ホ長調
CD(REFERENCE FR-728SACD) 

1.ベートーヴェン/交響曲第3番変ホ長調Op55
                    「英雄」
2.R・シュトラウス/ホルン協奏曲第1番変ホ長調

  ウィリアム・キヤヴァレロ(ホルン)(2)
  マンフレート・ホーネック指揮
  ピッツバーグ交響楽団
  録音 2017年10月27〜29日(1)
      2012年9月22〜24日(2)
    ピッツバーグ、ハインツホール・ライヴ

 マンフレート・ホーネック指揮のピッツバーグ交響楽団によるライヴ録音です。キャヴァレロは首席ホルン奏者です。
 ベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」はテンポが速めの第1楽章から張りのあるオーケストラの響きが抜群です。提示部のリピートがあります。第2楽章「葬送行進曲」の壮絶な響きが素晴らしい。テンポはやや速めですが乱れのないオーケストラの素晴らしい演奏に感動です。第3楽章のスケルツォは強弱の明解な演奏です。トリオのホルン三重奏ではアウフタクトを強調した演奏が斬新です。ホルンの響きが素晴らしいです。第4楽章は序奏の変奏曲から緊張感のある演奏が聴かれます。主部の勢いのある演奏、弦楽の美しさ、管楽器の響きの良さ、後半の圧倒的な演奏など
ホーネックの「英雄」は新しい解釈をみせる素晴らしい名演です。
 リヒャルト・シュトラウスのホルン協奏曲第1番はウィリアム・キヤヴァレロのホルン・ソロ、冒頭からホルンの朗々とした響きが聴かれます。第1主題は穏やかな演奏で、力みのないホルンが印象的です。メリハリをつけた演奏はホーネックの解釈もあるようで中間部は力強く、チェロのソロと掛け合う部分ではきれいな響きで対話しています。後半は力強い演奏です。第2楽章は穏やかに歌うホルンが良い響きです。強く吹く演奏が多いのですがキャヴァレロの演奏はメリハリのあるもので耳をそばだてて聴きたいほど魅力のある演奏です。中間部では力強いホルンが響きます。第3楽章のアレグロはホルンに華をもたせるように力強い冒頭が良い響きです。そしてホルンの流麗な演奏と狩のロンドのような軽快な演奏と久々に聴きごたえのある演奏になりました。途中でテンポを落したり間を置くなどホーネックの指揮も面白いです。カデンツァもメリハリのある演奏、コーダのスピード感豊かな演奏と結尾でテンポを落す演奏効果は絶賛したいと思います。


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