ペーター・ダム

テレマン&フェルスター/ホルン協奏曲
CD(Berlin Classics 0300142BC)

ホルン&トランペット協奏曲集
1.トレッリ/トランペット協奏曲ニ長調
2.テレマン/ホルン協奏曲ニ長調
3.L・モーツァルト/トランペットと
     2つのホルンのための協奏曲ニ長調
4.テレマン/トランペット協奏曲ニ長調
5.フェルスター/ホルン協奏曲第1番変ホ長調
6.ハイドン/トランペット協奏曲変ホ長調

 ウィリー・クルッグ(トランペット)(1、3、4&6)
 ペーター・ダム(ホルン)(2&5)
 ヘルムート・コッホ指揮
  ベルリン室内管弦楽団(1、3、4&6)
 ハルトムート・ヘンヒェン指揮
  カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ
            室内管弦楽団(2&5)
  録音 1970年(1、3、4&6)
      1984年(2&5)

 このアルバムはウィリー・クルッグのトランペット協奏曲集にペーター・ダムのホルン協奏曲が2曲収録されたものです。
 ジュゼッペ・トレッリ(1658〜1709)はイタリアの作曲家、トランペット協奏曲は3つの楽章で構成されています。明るい響きの第1楽章、第2楽章はアダージョの弦楽が美しい響きです。プレストをはさんでアダージョになります。ここはトランペットはお休み、第3楽章のアレグロは明るい響きのトランペットが素晴らしく、ドイツの音楽とは異なる美しさがあります。
 テレマンのホルン協奏曲ニ長調はペーター・ダムの2度目の録音です。最初の録音が1972〜73年でヘルムート・コッホとの共演でした。こちらはハルトムート・ヘンヒェンの指揮で1984年の録音です。明るい音色のダム独特の響きの美しさがあります。第1楽章の軽やかな演奏、第2楽章のラルゴではホルンの響きの美しさ、第3楽章では力強さと即興演奏のうまさが聴きものです。
 レオポルド・モーツァルトのトランペットと2つのホルンのための協奏曲はトランペット協奏曲です。オーケストラは2つのホルンと弦楽ですが2つのホルンはソロ楽器としては使われていません。第1楽章:アダージョ、第2楽章:アレグロ・モデラートになっています。クルッグのトランペットの鮮やかな演奏が聴かれます。
 テレマンのトランペット協奏曲ニ長調はバロック協奏曲の代表的な作品です。クラリーノ協奏曲ですからピッコロ・トランペットを使います。4つの楽章で構成されています。クルッグの素晴らしい演奏が聴かれます。
 クリストフ・フェルスター(1693〜1745)のホルン協奏曲第1番変ホ長調はペーター・ダムの演奏です。3つの楽章で構成されています。第1楽章美しい主題が流れます。ナチュラルホルンでは大変な難曲ですが、モダンホルンでは難しくはないでしょう。第2楽章のアダージョは穏やかな主題が大変美しいです。第3楽章は軽やかなホルンが素晴らしい演奏です。
 ハイドンのトランペット協奏曲変ホ長調はトランペット協奏曲の代表的な作品です。ハイドンが有鍵トランペットのために書いた名曲です。3つの楽章で構成されています。クルッグのトランペットは素晴らしい演奏で、美しさと力強さを兼ね備えた名演です。ヘルムート・コッホの指揮もまた素晴らしいものです。オーケストラも美しい響きです。第1楽章のカデンツァが魅力的で素晴らしい演奏です。第2楽章の主題の美しさもまたハイドンの作品の中でも特筆すべきものです。第3楽章の滑らかな演奏もまた素晴らしいものです。


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