ヘルマン・ユーリッセン

モーツァルト／ホルン協奏曲全集、ロンド＆フラグメント

ＣＤ１（ＢＲＩＬＬＩＡＮＴ　ＣＬＡＳＳＩＣＳ　９９７１３／４）
ＣＤ２（ＯＬＹＭＰＩＡ　ＯＣＤ４７０）

モーツァルト／ホルン協奏曲全集
１．ホルン協奏曲第２番変ホ長調Ｋ４１７
２．ホルン協奏曲第３番変ホ長調Ｋ４４７
３．フラグメント　ホ長調Ｋ４９４ａ（ﾕｰﾘｯｾﾝ完成版）
４．ホルン協奏曲第１番ニ長調Ｋ４１２
５．フラグメント変ホ長調Ｋ３７０ｂ
６．ロンド変ホ長調Ｋ３７１
７．ホルン協奏曲第４番変ホ長調Ｋ４９５
８．ロンド　ニ長調Ｋ５１４(ﾓｰﾂｧﾙﾄの声付)
　　ヘルマン・ユーリッセン（ホルン）
ロイ・グッドマン／オランダ室内管弦楽団
　　　録音　１９９６年１１月２０～２３日

　このＣＤはＢＲＩＬＬＩＡＮＴ　ＣＬＡＳＳＩＣＳのモーツァルト・エディションの第１巻で、ヴァイオリン協奏曲と管楽器のための協奏曲集７枚組の中の１枚です。ホルン・ソロがユーリッセンでしたからすぐ求めました。
　ユーリッセンのホルンは特徴のある音ではありませんが、楽譜の研究は深いようです。この録音でもほとんど彼の校訂の楽譜です。中でも大変驚いたのが、聞いてびっくり「フラグメントＫ４９４ａ」の完成版でした。演奏時間が８分５３秒と記載されていたので聞いてみましたら未完成の譜面の先まで作っています。モーツァルトのオリジナルのメロディと、オーケストラのメロディーをホルンに置き換えたメロディと彼の創作を組み合わせた「無理矢理の完成版」ではありますが、これが大変面白くてこのＣＤが価値あるものになりました。
　Ｋ３７０ｂもオーケストラにかなり手を加えた楽譜になっています。Ｋ３７１のロンドもユーリッセンの校訂ですがこれは６０小節の提示部が入った完全版です。
　面白いのは最後のロンドです。１番の２楽章ですが、モーツァルトのホルン協奏曲と言えば、色違いのインク、楽譜にかかれたロイトゲープに対するいたずら書きが有名ですが、なんとここではモーツァルトが話しかけるように叱咤激励なのか、はたまた悪戯なのか話ながら演奏してる面白い録音です。