ペーター・ダム

テレマン、フェルスター、ハイドン/ホルン協奏曲
CD(BERLIN Classics 0032102BC)

ホルン協奏曲集
1.テレマン/ホルン協奏曲ニ長調
2.フェルスター/ホルン協奏曲第1番変ホ長調
3.作曲者不詳/ホルンと弦楽の為のソナタ
4.ハイドン/ホルン協奏曲第1番ニ長調
5.べーア/ポストホルンとホルンの為の協奏曲

  ペーター・ダム(ホルン)(1、2&4)
     〃   (ピッコロ・ホルン)(3)
     〃   (ホルン&ポストホルン)(5)
  ハルトムート・ヘンヒェン指揮
  カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ
            室内管弦楽団(1〜5)
    録音 1984年

 ペーター・ダムによるバロックから古典派の作品です。ポストホルンを使った曲を含む楽しいプログラムです。テレマンとフェルスターの2曲はギュトラーのトランペットとのカップリングでも発売されていました。
 テレマンのホルン協奏曲はヘルムート・コッホとの録音がありましたが、この録音は表現力豊かなホルンでたっぷり楽しめます。時折即興がありますのでそこがまた聞きどころといえます。
 フェルスターはバロック時代の作曲家ですからこのホルン協奏曲はナチュラルホルンで吹いていたのですが、現代のホルンで演奏すると大変ロマンティックな協奏曲になります。トリルが多い作品ですから演奏は容易でないでしょう。ダムの演奏は強弱をはっきりさせた名演です。
 作曲者不詳の「ホルンと弦楽の為のソナタ」はバロック時代の作品と思われます。クラリーノ作品のためピッコロホルン(ディスカントホルン)を吹いて演奏しています。ダム先生お得意の作品でしょう。大変きれいな作品です。
  ハイドンのホルン協奏曲第1番はダム先生唯一のハイドンです。レガート奏法で演奏するので滑らかで大変きれいな演奏です。そしてこの第1楽章は長いカデンツァが素晴らしい。高音から低音までを使って縦横にホルンを吹いています。第2楽章は弦楽の美しい響きも聞き逃せないでしょう。カデンツァも素晴らしい。第3楽章はきらめくオーケストラとホルンの響きが実に素晴らしい。これほど魅力的なハイドンはないかもしれません。カデンツァもまた見事です。ヘンヒェンの素晴らしいサポートも見逃せません。きれいすぎるほどの美しい演奏です。
 ヨハン・べーア(1655〜1700)の協奏曲は6楽章からなる楽しい曲です。この曲はポストホルンと狩猟ホルンのための協奏曲ですがこの2つの楽器が同時に演奏することがないのでダム先生は持ち替えで2つの楽器を吹き分けています。これがまた実に見事な演奏です。派手な響きのポストホルンと穏やかなホルンの違いが大変印象的なこの作品はダム先生だからこそ演奏できたといえましょう。


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