アレッシオ・アレグリーニ

バッハ/ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調
CD(DGG 4778908)2枚組

バッハ/ブランデンブルク協奏曲全集
CD1
1.ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調BWV1046
2.     〃      第3番ト長調BWV1048
3.     〃      第5番ニ長調BWV1050
CD2
4.ブランデンブルク協奏曲第6番変ロ長調BWV1051
5.     〃      第4番ト長調BWV1049
6.     〃      第2番ヘ長調BWV1047
 
 ジュリアーノ・カルミニョーラ(ヴァイオリン)(1、3、5&6)
 アレッシオ・アレグリーニ(ホルン)(1)
 ジョナサン・ウィリアムズ(ホルン)(1)
 ヴィクトル・アヴィアート(オーボエ)(1)
 ルーカス・マシアス・ナヴァロ(オーボエ)(1)
 グィド・グランディ(オーボエ)(1) 
 ギョーム・サンタナ(ファゴット)(1)
 ジャック・ズーン(フルート)(3)
 ミカラ・ペトリ(リコーダー)(5&6)
 ニコライ・タラソフ(リコーダー)(5)
 ラインホルト・フリードリヒ(トランペット)(2)
 オッターヴィオ・ダントーネ(チェンバロ)
 クラウディオ・アバド指揮
  モーツァルト管弦楽団
 録音2007年4月21日ライヴ

 アバドのブランデンブルク協奏曲です。アバドは1975〜6年にもスカラ座管弦楽団とブランデンブルク協奏曲を録音していました。
 ブランデンブルク協奏曲第1番はかなり速いテンポで演奏しています。2本のホルンと3本のオーボエ、ヴァイオリンとファゴットの調和のとれた演奏は大変きれいな響きを作っています。1番のアレグリーニ、2番のジョナサン・ウィリアムズとも完璧な演奏です。第2楽章のオーボエとヴァイオリンは美しい響きが流れます。第3楽章はホルンの響きがきれいです。こちらも速めのテンポで演奏しています。ヴァイオリン・ソロがまた素晴らしい。第4楽章のメヌエットは程よいテンポで演奏しています。1拍目を強調した面白い演奏。第1トリオのオーボエとファゴットは大変見事できれいな演奏です。メヌエットに入る前に即興があります。中間部のポロネーズは静かに始まり後半エネルギッシュになっています。次のメヌエットではアドリヴが目立ちます。第2トリオのホルンとオーボエの演奏はアレグリーニとジョナサン・ウィリアムズのホルンが即興を入れた見事な演奏です。 
 第3番は速めのテンポで弦楽の素晴らしいアンサンブルが聞かれます。第2楽章のアダージョにはダントーネによるチェンバロのカデンツァが入ります。第3楽章のアレグロは弦楽の緻密な演奏が素晴らしい。
 第5番の演奏は冒頭の弦楽合奏がうねりを感じさせる素晴らしい演奏、続くフルート、ヴァイオリン、チェンバロの響きがこの曲を聞く楽しみです。ダントーネの長大なチェンバロ・ソロがまた素晴らしい。深みのあるチェンバロの響きです。第2楽章はチェンバロのアルペッジョに続くフルートのやわらかな響きとヴァイオリンがきれいです。ズーンは柔らかい響きの木管のフルートを吹いていますので気持ちの良い響きです。第3楽章の跳ねるようなリズムはヴァイオリンとフルートの息の合った演奏が見事です。そこに絡むチェンバロの響きが素晴らしい。
 第6番はヴィオラ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、チェロ、コントラバスとチェンバロだけによるいわば中低音楽器だけによる演奏です。第1楽章はヴィオラとガンバが主役でシンコペーションの主題が交錯しますが、速めのテンポながら緻密で素晴らしい演奏になっています。第2楽章はガンバが抜けてヴィオラとチェロが優雅に演奏します。気持ちよいアダージョです。第3楽章は全合奏でフーガのように追いかけてゆく主題が繰り返されています。程よいテンポでこれも素晴らしい演奏です。
 第4番は2本のリコーダーが美しい響きです。リコーダーにミカラ・ペトリを起用した憎いまでの演出は素晴らしいものでタラソフと作る和音は輝きがあります。ヴァイオリンの技巧的な演奏もまた素晴らしいものです。第2楽章はリコーダーと弦楽の調和が素晴らしい。第3楽章の冒頭はフーガですが、この演奏は弦楽のアンサンブルが見事です。2つのリコーダーとヴァイオリンの絡みも聴きどころ。
 第2番はフリードリヒが吹くピッコロ・トランペットとアヴィアートのオーボエの響きが素晴らしい。またリコーダーはミカラ・ペトリが吹いておりこちらも見事な響きの演奏です。第2楽章はヴァイオリンとオーボエ、リコーダーのトリオ・ソナタのようですが大変素晴らしい演奏です。第3楽章ではトランペットの高域の音が見事で素晴らしい。オーボエ、リコーダーやヴァイオリンも良い響きです。


トップへ
戻る
前へ
次へ