トマス・ベイコン

ヒンデミット/4本のホルンのためのソナタ
CD(SUMMIT DCD115−2)

ヒンデミット/金管楽器のための作品全集
CD1
1.ピアノ、金管と2台のハープのための
          協奏音楽Op49(1930)
2.金管五重奏のための「朝の音楽」(1932)
3.ホルン・ソナタ ヘ長調(1939)
4.トランペット・ソナタ(1939)
CD2
5.トロンボーン・ソナタ(1941)
6.アルト・ホルン・ソナタ変ホ長調(1943)
.4本のホルンのためのソナタ(1952)
8.チューバ・ソナタ(1955)

  サミット・ブラス
  アラン・ディーン(トランペット)
 デイヴィッド・ヒックマン(トランペット)
  レイモンド・メイス(トランペット)(4)
  アントニー・プログ(トランペット)
  トマス・ベイコン(ホルン)(1&7)
  アーサー・デイヴィッド・クレビール(ホルン)
  ラリー・ストリーバイ(ホルン)(6&7)
  ゲイル・ウィリアムズ(ホルン)(3&7)
  ジョセフ・アレッシ(トロンボーン)
  マーク・ローレンス(トロンボーン)(5)
  ラルフ・ザウアー(トロンボーン)
  ジーン・ポコーニ(チューバ)(8)
  マリー・ワルター(ハープ)(1)
  パトリス・ロックハート・ジェンクス(ハープ)(1)
  テオドール・リッチマン(ピアノ)(1、3〜6&8)
  カール・トピロー指揮(1)
  録音 1990年

 ヒンデミットが金管楽器のために作曲した作品の全集です。ソナタのほかに金管五重奏の作品も含まれます。
 「ピアノ、金管と2台のハープのための協奏音楽」は1930年の作品、3つの楽章で構成され、第1楽章は金管オーケストラとピアノのための協奏曲といった雰囲気の作品です。第2楽章は2台のハープとピアノのトリオで演奏されます。ハープとピアノの響きの融合が不思議な響きになっています。金管はここでは入りません。第3楽章はピアノ、2台のハープと金管の編成で演奏されます。
 「朝の音楽」は1932年の作品で金管五重奏のために書かれています。
 ホルン・ソナタ ヘ長調は1939年の作品で20世紀のホルン・ソナタの代表といってよいでしょう。3つの楽章で構成されています。ゲイル・ウィリアムズは流麗なホルンで美しい響きを奏でます。その音色が魅力的でこの難しいソナタが楽しそうに聞こえてきます。
 トランペット・ソナタも1939年の作品です。3つの楽章からなり、冒頭プーランクのソナタを思わせる主題が出てきます。レイモンド・メイスはアメリカ交響楽団やオルフェウス室内などのメンバーで素晴らしい演奏を繰り広げてくれます。
 トロンボーン・ソナタは1941年の作品、4つの楽章で構成されトロンボーンの魅力と技巧を聞かせてくれます。マーク・ローレンスはサンフランシスコ交響楽団の首席トロンボーン奏者です。
 アルト・ホルン・ソナタ変ホ長調は1943年の作品、4つの楽章で構成されます。ここではホルンで演奏されます。ローレンス(ラリー)・ストリーバイはセントルイス交響楽団のメンバーです。ジョン・バロウズのホルンに似た響きが親近感をおぼえます。なお第4楽章冒頭で「ポストホルン」と題した対話を二人が語ります。やわらかな響きのホルンが素晴らしい。
 4本のホルンのためのソナタは1952の作品で、20世紀のホルン・アンサンブル作品の代表のひとつといってよいでしょう。第2楽章冒頭はこの作品の聞き所ですが良い響きです。、ベイコン、クレビール、ストリーバイ、ウィリアムズという蒼々たるメンバーの演奏は迫力満点です。
 チューバ・ソナタはこのアルバムでは最も遅い1955年の作品、60歳のときに書かれています。3つの楽章からなり低音楽器の迫力満点の作品です。ジーン・ポコーニはシカゴ交響楽団の首席で、その腕前は巨人ジェイコブスの後任に相応しい腕前の持ち主です。


トップへ
戻る
前へ