ローウェル・グリーア

モーツァルト/ホルン協奏曲全集、ロンド
CD(harmonia mundi KDC7010 HCX3957012)

モーツァルト/ホルン協奏曲全集
1.ロンド変ホ長調K371(グリーア編曲版)
2.ホルン協奏曲第1番ニ長調K412
3.ホルン協奏曲第2番変ホ長調K417
4.ロンド ニ長調K514(ユーリッセン編)
5.ホルン協奏曲第3番変ホ長調K447
6.ホルン協奏曲第4番変ホ長調K495

  ローウェル・グリーア(ナチュラルホルン)
  ニコラス・マギーガン指揮
   フィルハーモニア・バロック・オーケストラ
   録音 1988年3月  

 ローウェル・グリーアのナチュラルホルンによるモーツァルトのホルン協奏曲全集です。宇野氏おすすめのアルバムになっています。
  ロンド変ホ長調K371はローウェル・グリーアの編曲版となっています。オーケストラのアレンジに若干の違いが見られます。演奏は素晴らしいものです。大変滑らかな演奏です。カデンツァも見事な演奏です。
 ホルン協奏曲第1番はD管ホルンによる演奏です。やや重い響きですが、滑らかできれいな演奏です。ストップ音もきれいです。第2楽章はジェスマイアー編曲版で演奏しています。滑らかで見事な演奏です。
 ホルン協奏曲第2番はE♭管による演奏です、ホルンらしい響きが流れます。グリーアのナチュラルホルンは時折詰まった響きもありますが、ほとんど自然な響きです。トリルもきれいです。また装飾音を加えるところもあってモーツァルトを楽しんでいるようです。第2楽章は丁寧に優雅な響きの演奏です。ホルンもオーケストラも良い響きです。第3楽章のロンドはナチュラルホルンを自在に吹きこなしています。トリルもきれいです。短いカデンツァも入ります。ここではホルンのストップ音にヴァイオリンがキャッキャッキャと笑うように歌うのが面白いです。モーツァルトがそのように入れました。素晴らしい演奏です。
 ロンド ニ長調K514はユーリッセンの完成版による演奏です。ジェスマイアーの編曲とは異なるオリジナルはタックウェルの録音依頼度々録音されます。短いカデンツァが入ります。グリーアの演奏は終結の前にもアドリブが入る素晴らしい演奏です。
 ホルン協奏曲第3番は冒頭の「ドーソード」が軽く入っています。ソロは伸び伸び太い響きで演奏しています。きれいな演奏です。展開部から再現部も滑らかな演奏です。カデンツァは高音から低音まで使う見事なものです。第2楽章のロマンツェは優しい響きのホルンでロマンスを歌っています。装飾音も入ります。オーケストラも良い響きです。第3楽章のアレグロは軽やかなホルンで、フェルマータのあとにアドリブを入れています。終結部でもアドリブを入れています。見事な演奏です。
 ホルン協奏曲第4番は序奏の響きの良さがあります。ホルン・ソロはオーボエと重なる冒頭はカットして、ホルンのソロから演奏しています。大変きれいな演奏です。時折装飾音を入れています。カデンツァは短いですがタックウェルのものをアレンジした見事なものです。第2楽章のロマンツェは大変きれいな演奏です。ストップ音もきれいな響きです。第3楽章のロンドは軽快な演奏で装飾音も入れています。速いテンポで素晴らしい演奏です。コーダ前にカデンツァが入ります。これは素晴らしい演奏です。(2001年発売の国内盤)


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