ペーター・ドルフマイヤー

モーツァルト/ホルン協奏曲全集(室内楽版)(2021)

CD(PREISER PR91557)

モーツァルト/ホルン協奏曲全集(室内楽版)
1.ホルン協奏曲第2番変ホ長調K417
2.ホルン協奏曲第4番変ホ長調K495
3.ホルン協奏曲第3番変ホ長調K447
4.ホルン協奏曲第1番ニ長調K412
      (2021年補完版)

 ウィーン交響楽団メンバー
 ペーター・ドルフマイヤー(ウィンナホルン)
 マティーアス・ホーネック(ヴァイオリン)
 シュテファン・ペッヒハッカー(ヴァイオリン)
 マルティン・エーデルマン(ヴィオラ)
 ミヒャエル・ヨハネス・ギュンター(チェロ)
 ヴァレリー・シャッツ(コントラバス)
 アレクサンダー・ゲルゲリフィ(ハープシコード)
  録音 2021年

 ウィーン交響楽団のホルン奏者ペーター・ドルフマイヤーがモーツァルトのホルン協奏曲全集を録音するにあたり、珍しい室内楽版、それも弦楽五重奏とハープシコードのみの伴奏で録音しました。まるでホルン五重奏曲のようです。
 ホルン協奏曲第2番は第1楽章の冒頭から弦楽に始まり、管楽器の部分にハープシコードが入るなど、気持ちの良い響きです。ドルフマイヤーのホルンがきれいに始まります。展開部への経過部の響きがきれいです。モーツァルトの美しさがあります。ホルンの演奏も素晴らしいものです。第2楽章は冒頭から弦楽の美しさがあります。ホルンのロマンティックな響きが素晴らしいです。第3楽章のロンドは軽やかできれいな演奏です。短いカデンツァも入ります。後半もきれいな演奏です。
 ホルン協奏曲第4番は第1楽章冒頭の勢いのある弦楽の演奏が素晴らしいです。ホルンのソロは朗々と素晴らしい響きです。展開部の哀愁的な響きがきれいです。カデンツァはハープシコードと共に歌う長大なものです。素晴らしい演奏です。第2楽章のロマンスはホルン・ソロと弦楽のみの演奏が大変美しく、オーケストラ版とは異なる魅力があります。見事です。第3楽章のロンドは流麗な演奏です。弦楽にも深みがあり、同じ曲を聴いているとは思えないほど素晴らしい響きです。コーダ前に短いカデンツァが入ります。コーダの緊張感も素晴らしいです。
 ホルン協奏曲第3番はモーツァルトのホルン協奏曲の代表作ともいえる名曲でメロディの美しさや展開のうまさがひかる名作です。ドルフマイヤーのホルンが優雅に歌っています。展開部の表現力も素晴らしいものです。カデンツァは長大なもので、ホルンのみの演奏、最後にハープシコードの和音が入ります。第2楽章のロマンスは力強い弦楽とホルンの歌が素晴らしい演奏です。第3楽章のロンドは軽快な演奏です。ここでは、後半にホルンのアドリブ演奏があります。
 ホルン協奏曲第1番は2021年補完版の演奏ということになっています。弦楽のみの伴奏ですが、第1楽章は従来の版と同じです。弦楽とホルンの美しい演奏です。第2楽章はK514の弦楽版です。ここではハープシコードがきれいに響きます。ホルンのカデンツァも入ります。後半には主題の微妙な違いがありますが、感動的な演奏です。
 この演奏は絶賛したいと思います。


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