濱地 宗

ディ・ホフヌング/アッペルモント/ホルン協奏曲、他(2019)
CD(Winds Score GWCD-1901)

ディ・ホフヌング
1.イウェイゼン/ゴールド・コースト・ハーモニー
2.田村修平/ディ・ホフヌング(希望)
3.大橋晃一編/ラフマニノフ・パラフレーズ
4.フェルヘルスト/ア・ソング・フォー・ジャパン
5.大橋晃一/ハーフ・ホール・トーン・エチュード
6.モリコーネ〜大橋晃一編/
   ニュー・シネマ・パラダイス〜愛のテーマ
7.アッペルモント/ホルン協奏曲

  濱地 宗(ホルン)(1〜7)
  キム・ジェヒョン(ホルン)(1〜4)
  遠藤 直子(ピアノ)(1〜4)
  中川重則指揮
  岡山学芸館高等学校吹奏楽部(6&7)
  録音 2019年

 濱地 宗(はまじ かなめ)は神奈川フィルハーモニーの首席を経て群馬交響楽団の第1ホルン奏者を努めています。
 エリック・イウェイゼンの「ゴールド・コースト・ハーモニー」は2本のホルンとピアノのための作品です。ホルン・デュオの和音の素晴らしさがあります。
 田村修平の「ディ・ホフヌング(希望)」は濱地宗の委嘱作品です。ドイツ語で希望を意味するホフヌングを題名にしたのは東日本大震災などの被災者への思いを表現したものです。2本のホルンとピアノのために書かれています。3つの部分になっていて「レクイエム」〜「慰めの歌」〜「復興と未来へ向かうエネルギー」が切れ目なく演奏されます。「慰めの歌」は哀愁的な歌が演奏されます。そしてエネルギッシュな3曲目が力強く歌われます。これは素晴らしい作品です。演奏も見事なものです。
 大橋晃一編曲の「ラフマニノフ・パラフレーズ」はラフマニノフのピアノ協奏曲第2番で始まります。ピアノ・ソロのあとに2本のホルンがオーケストラ・パートを演奏します。違和感のないものです。続いて2曲目に「ヴォカリーズ」が2本のホルンとピアノで歌われます。ソロ・ホルンでも歌われます。そして第3曲目には交響曲第2番の第3楽章が、第4曲目には第4楽章が演奏されています。ホルンが活躍する作品を力強く演奏しています。
 スティーブン・フェルヘルストの「ア・ソング・フォー・ジャパン(日本のための歌)」はこれも東日本大震災の復興への音楽です。2本のホルンとピアノで歌われます。濱地が後世に残したい作品として思いを込めて演奏しています。
 大橋晃一の「ハーフ・ホール・トーン・エチュード」は独奏ホルンのために書かれたエチュードです。ハーフ(半音)とホール(全音)を巧みに使ったもので、それをメロディにして歌うエチュードです。濱地のホルンは素晴らしい演奏です。
 エンニオ・モリコーネの映画「ニュー・シネマ・パラダイス」から「愛のテーマ」はホルン・ソロと吹奏楽のために大橋晃一が編曲したものです。岡山学芸館高等学校吹奏楽部の素晴らしい演奏をバックに濱地がホルンを演奏しています。中間部は迫力があります。
 ベルト・アッペルモントの「ホルン協奏曲」はホルンと吹奏楽のために書かれています。4つの楽章で構成されていて、切れ目なく演奏されます。第1楽章「サラバンド」は長いホルン独奏に始まり、アンサンブルが加わります。第2楽章「トッカータ」はホルンの軽快な歌に始まり、アンサンブルが良い響きで加わります。盛り上がりも素晴らしいものです。パーカッションもよい響きです。第3楽章「ロマンス」はホルンの美しい主題が流れます。後半の盛り上がりは素晴らしいです。第4楽章の「フィナーレ」は速いテンポでホルンが細かいフレーズを演奏します。オーケストラが大きな響きで応えます。21分を超える大作です。濱地宗のホルンは大変素晴らしい演奏です。


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