オリヴィエ・ダルベレイ

カーター/リトレイシング2、他(2014)
CD(GENUIN GEN 21731)

カーター/作品集
1.木管四重奏のための8つの練習曲と
              幻想曲(1950)
2.音楽〜ボードレールによる(2007) 
          〜独唱のための
3.弦楽三重奏曲(2011)
4.ルイス・ズーコフスキーのポエム(2008)
     〜クラリネットとソプラノのための
5.リトレイシング2(2009)〜独奏ホルンのための
6.ナイン・バイ・ファイヴ(5人で9本)(2009)
       〜木管五重奏のための
7.オーボエとチェンバロのためのソナティナ
             〜第1楽章(1947)

 スイス室内合奏団
 サラ・ウェゲナー(ソプラノ)(2&4)
 フェリックス・レングリ(フルート)(1&6)
 ハインツ・ホリガー(オーボエ)(1、6&7)
 フランソワ・ベンダ(クラリネット)(1&6)
 セルジオ・ピレス(クラリネット)(4)
 オリヴィエ・ダルベレイ(ホルン)(5&6)
 ディエゴ・ケンナ(ファゴット)(1&6)
 イレーネ・アブリーゴ(ヴァイオリン)(3)
 ユルク・デーラー(ヴィオラ)(3)
 ダニエル・ヘフリガー(チェロ)(3)
 ペーター・ソロモン(チェンバロ)(7)
 録音 2014年10月29&30日(1、5&6)
     2020年6月19日(2〜4)
     2008年12月7日(7)

 エリオット・カーター(1908〜2012)はアメリカの作曲家です。スイスの演奏家たちによって、若い時から最晩年103歳の作品まで演奏しています。
 「木管四重奏のための8つの練習曲と幻想曲」は1950年の作品です。フルート、オーボエ、クラリネットとファゴットの四重奏です。8つのエチュードと1つの幻想曲の9つの小品の演奏です。ベテランのハインツ・ホリガ−のオーボエは注目の演奏です。8つのエチュードは速いテンポ、遅いテンポが交互に演奏されます。最後の幻想曲はクラリネットに始まって4つの木管がファンタジーな音楽を奏でます。
 「音楽」はボードレールの詩に音楽をつけたものです。2007年99歳の時の作品です。ソプラノ独唱によって歌われます。無伴奏でサラ・ウェゲナーが豊かな歌唱力で歌います。見事な演奏です。
 「弦楽三重奏曲」は最晩年2011年103歳の時の作品です。ヴァイオリン、ヴィオラとチェロが重音を使いながら重厚な響きを出しています。4分あまりの小品ですが103歳でこの作品を書くとは驚きです。ピツィカートもたくさん使いながらの演奏です。
 「ルイス・ズーコフスキーのポエム」は2008年100歳の作品集です。クラリネットとソプラノのために書かれています。ソプラノとクラリネットが対話するように歌います。クラリネットが語りかけるように、ソプラノは応えるように力強く歌っています。9つの小曲が歌われるユニークな作品です。
 「リトレイシング2」は2009年101歳の作品です。独奏ホルンのために書かれています。ダルベレイのホルン・ソロによる演奏です。短い小品ですが、カーターのホルンへの思いが感じられそうな、ハイトーンから低音のホルンの美しい響き、そして奥深い響きを聞かせてくれます。素晴らしい演奏です。
 「ナイン・バイ・ファイヴ(5人で9本)」も2009年101歳の作品です。木管五重奏のための作品ですが、演奏者の楽器持ち替えによって5人が9つの楽器を演奏しています。フルートはピッコロに、オーボエはイングリッシュホルンに持ち替えがあります。E♭クラリネットはバスクラリネットの持ち替え、ファゴットはコントラファゴットの持ち替えがあります。
 オーボエとチェンバロのためのソナティナは1947年39歳ころの作品。第1楽章のみの演奏ですが、世界初録音になります。ハインツ・ホリガーの名演奏が繰り広げられます。素晴らしいオーボエの音色です。これは絶賛の演奏です。


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