ジョン・バローズ

ブラームス/ホルン三重奏曲変ホ長調(1952)

CD(BRIDGE Records BRIDGE 9175)

ブダペスト弦楽四重奏団の芸術
1.ヒンデミット/ヴィオラ・ソナタOp11−4
2.ブラームス/ホルン三重奏曲変ホ長調Op40
3.ショスタコーヴィチ/ピアノ五重奏ト短調Op57

  ボリス・クロイト(ヴィオラ)(1)  
  ジョン・バローズ(ホルン)(2)
  ジャック・ゴロデツキー(ヴァイオリン)(2)
  アルトゥール・バルサム(ピアノ)(1〜3)
  ブダペスト弦楽四重奏団(3)
    録音 1966年3月4日(1)
        1952年4月10日(2)
        1951年12月18日(3)
 ワシントン国会図書館クーリッジ講堂ライヴ録音

 ブダペスト弦楽四重奏団と仲間たちによる演奏会の録音です。ワシントン国会図書館クーリッジ講堂での演奏です。
 ヒンデミットのヴィオラ・ソナタはメンバーのボリス・クロイトのヴィオラとバルサムのピアノによる演奏です。ヒンデミットはヴィオラ奏者でもありましたので、このヴィオラ・ソナタの作曲には力が入ったと思われます。第1楽章「ファンタジー」、第2楽章「主題と変奏曲」、第3楽章「フィナーレ」になります。フィナーレは長い楽章で、ヴィオラの表現力の深さが感じられます。
 ブラームスのホルン三重奏曲はジョン・バローズ最初の録音になります。第1楽章のホルンはバローズ独特の響きで太い音が鳴り響きます。ゴロデツキーのヴァイオリンとバルサムのピアノが厚い響きを出しています。バランスのよい演奏です。素晴らしい響きのホルンです。第2楽章のスケルツォはピアノ、ヴァイオリンとホルンが力強く歌います。楽しいスケルツォです。トリオのホルンがまたいい演奏でピアノもきれいです。第3楽章のアダージョ・メストは冒頭からホルンとヴァイオリンが哀愁的な主題を歌います。ホルンとヴァイオリンの調和のとれた響きがきれいです。ピアノの繊細な響きも聴きものです。中間部のホルンの演奏も素晴らしいです。第4楽章「アレグロ・コン・ブリオ」はホルンとヴァイオリンの活躍がめざましいです。ピアノも良い響きでフィナーレの響きが厚いものになっています。バローズの素晴らしいホルンの演奏が聴かれます。モノラル録音の中でも特筆すべき演奏です。
 ショスタコーヴィチのピアノ五重奏ト短調はバルサムのピアノとブダペスト弦楽四重奏団の演奏です。第1楽章「前奏曲(レント)」、第2楽章「フーガ(アダージョ)」、第3楽章「スケルツォ(アレグレット)」、第4楽章「間奏曲(レント)」、第5楽章「フィナーレ(アレグレット)」の5つの楽章で構成されています。第1楽章、第2楽章はゆったりとしたテンポで演奏されます。第3楽章はピアノがきらびやかで賑やかになってきます。スケルツォの楽しさが伝わってきます。第4楽章はヴァイオリンの美しい主題で始まります。途中からピアノが入ります。このレント楽章は美しい間奏曲です。切れ目なく続く第5楽章はショスタコーヴィチの作品らしい響きになります。素晴らしいピアノ五重奏曲です。


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